投稿日: 2026/02/13

記事:『善良さ(Bonté)について』

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン
バラ十字会フランス本部代表セルジュ・トゥーサン

※ バラ十字会は、宗教や政治のいかなる組織からも独立した歴史ある会員制の哲学団体です。

善良さとは何か?

辞書を引くと、善良さとは「人を良い行いと、他の人たちに親切にするように導く道徳的な性質」、あるいは「良い人間の持つ性質であり、他の人たちに親切に接し、他の人に危害を加えることを避ける傾向」と書かれています。

すべての人は善という性質を潜在的に所有しているとジャン・ジャック・ルソー(1712-1778)は語りました。いささか天真爛漫な楽観主義のように聞こえますが、私も同じ意見です。

ルソーは著書『社会契約論』の中で、「人間は本来善良である」と強く主張していて、人を堕落させて、悪意を持ち、危険で、邪悪な存在にさえ変えてしまうのは社会であると語っています。

この考え方を支持しているのはルソーだけでありません。他の多くの思想家や哲学者も、人は本来善良であるというこの考え方を、自分たちの理想や主張の根幹に据えています。

旅行者に道を教えている若い男性

『人は本来善良である』ということについて

さまざまな心理学者が、人は本来善良であるということを確認する実験を行ってきました。彼らは、道を渡ろうとしたり、スーツケースを運ぼうとしたり、靴ひもを結ぼうとして困難を経験している大人の前に、幼い子供を立たせました。

子供たちは誰もが、そうした大人に近づいて自発的に助け、そうできたことを喜んでいました。

また、段ボール箱に閉じ込められたネコ、リードに絡まった犬、部屋に迷い込んだ鳥など、困っている動物の前に、幼い子供を立たせました。この場合も、すべての子供が動物を助けるために駆けつけ、助けることができたことを喜んでいました。

時として、悪意に満ちていたり、意地悪だったり、残酷でさえあるのは、成長する過程で社会のネガティブな面に影響され、さらに、適切な感化や教育が得られなかったためです。

高齢の女性が買物した荷物を車へ積んであげている女性

善良さの目覚め

17世紀の傑出したバラ十字会員であったフランシス・ベーコンは、「善良さは、人間の魂の働きの中でも最も高貴なものであり、最も偉大な美徳である」と述べています。バラ十字哲学の観点から見ると、思いやり、利他主義、寛容、非暴力などと同様に、善良さは美徳のひとつです。

すべての人は、これらの美徳を潜在的に所有していますが、それが判断や行動を通して現れるためには、その美徳を目覚めさせる努力をしなければなりません。もしその努力を怠れば、不親切、利己主義、不寛容、暴力など、美徳とは対極にある弱さと欠点が心を支配してしまいます。

教育の主な目的は本来、これらの美徳を子供が身につけるようにして、他の人たちとの交流において、美徳を表現し、良き仲間になるようにすることであると考えられます。

相手を助け起こしているバスケットのプレイヤー

善良さ(Bonté)と善意(Bienveillance)

善良さと善意は、同一の徳であると考える人もいるかもしれません。しかし、必ずしもそうではありません。善意とはむしろ、他の人たちに親しみ深さや寛大さを示すことです。

ですから、それは何よりも心のあり方であり、内面的な傾向です。それに対して善良さは、他の人たちのために行動することを意味します。ある意味で善良さは、善意を実践した行いであると言うことができます。

そうは言っても、善意にあふれる人たちは、一般的に善良さを示し、その逆もまた事実です。ですから、「善意」と「善良さ」という言葉はしばしば同義語として用いられ、利他心、気前のよさ、寛大さ、温厚さなどと結びつけて考えられています。

高齢の女性のバス乗車を助けている若い女の子

「自分に対する善良さ」

他人に対して善を行うのは良いことですが、自分自身に善を行うことも同じように重要です。

「慈善はまず自分から」という格言があります。それは、心地よいひととき、有意義な出会い、多様な楽しみ、変化に富んだレジャー活動などを自分に定期的に与えることを意味します。そもそも、自分に優しくない人が他人に優しくできるでしょうか。

もしあなたが善良さのことを魂の働きだと考えるならば、太陽が分け隔てなく人を照らすのと同じように、善良さは、他の人たちにも自分自身にも輝きを放つはずです。

北米大陸の先住民のスー族には、「善なる行ないのすべては、太陽の光に貫かれた一滴の水のようなものだ」ということわざがあります。

ピンク色のバラと花びらの上の水滴

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執筆者プロフィール

セルジュ・トゥーサン

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。 多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。

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