まえがき
こんにちは、バラ十字会の本庄です。
今回は、バラ十字会の活動サイクルのことが話題になります。
中世の薔薇十字団は、108年の活動期と108年の休眠期を繰り返してきたと言い伝えられています。そして、ある休眠期が終わると、クリスチャン・ローゼンクロイツという伝説の始祖の墓が発見され、その墓の中には薔薇十字団に伝わる知識が書かれた書物が納められていて、発見者には活動を再開する権限が与えられるのだとされていました。
このことは、薔薇十字団に限らず、中世の他の神秘学(神秘哲学:mysticism)の団体にも見られました。
たとえば、前回の記事(『バラ十字会とカタリ派に関係はあるか?』)では、南フランスのトゥールーズで今も活動している『花合戦のアカデミー』(Jeux Floraux)という、ヨーロッパ最古の文芸アカデミーのことが話題になりましたが、このアカデミーの前身である「悦ばしき知識団」(Compagnie du Gai Savoir)の休眠期の終わりには、始祖クレマンス・イゾールの墓が発見されるという同様の伝説が流布されていたとされます。
参考記事:『クレマンス・イゾール-バラ十字の黄金のイシス』
当会のフランス代表が、薔薇十字団のこのような活動サイクルを自身の人気のブログで話題にしていますので、その日本語訳をご紹介します。


記事:『バラ十字会の未来観について』

バラ十字会の起源
バラ十字会(L’Ordre de la Rose-Croix:薔薇十字団)は、伝統思想という観点から言うと遠い過去に由来し、古代エジプトにまで遡ることができます。一方で、歴史記録によってたどることができる起源は17世紀の初頭です。それ以来、バラ十字の伝統を継承する集団が、さまざまな時代にさまざまな名前のもとに存在し、活動期と休眠期を繰り返してきました。直近の活動サイクルは1909年に始まり、それ以降はバラ十字会AMORC(略称AMORC)という名前で世界に広まっています。AMORCの組織は、フランス語、英語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、オランダ語、日本語など、言語ごとの管轄区域に分かれています。しかし会員に提供されている学習の内容はすべての国で同一です。主な学習教材は、毎月4冊ずつ提供される教本であり、その国の状況によって、送付される印刷物を受け取るか、インターネット上でアクセスするか、その両方が可能な場合もあります。また希望する人は、地元の下部組織を訪れ、講義を受けたり、他の会員と交流して友情を育んだりすることができます。
バラ十字会の学習内容
1909年に再興されて以来、AMORCはその理念を変えたりその目的から逸脱したりすることなく、時代の変化と技術の進歩に合わせて進歩と適応を続けてきました。その目的とは、興味を持つ人に学びの機会を提供することです。多くの国で教材が、郵送からインターネットに切り替えられたものこの進歩と適応の一例です。さらに教材の内容、特に科学的な話題には、最新の発見が取り入れられ定期的に更新されています。この更新は、物理学、医学、心理学、エジプト学、生態学、情報技術、伝統思想、哲学などのさまざまな部門からなるバラ十字国際大学との協力によって行われています。一方で、純粋に神秘学的なテーマについては、少なくともその内容に関しては、何世紀にもわたってバラ十字思想として提唱されてきた内容に準拠しているため、更新の必要はほとんど生じません。

現在のAMORCの活動サイクル
先ほど述べたように薔薇十字団は、17世紀(1614年)に歴史上に登場してから、活動期と休眠期を繰り返してきました。現在の活動サイクルが始まったのは1909年であり、その活動を世界的に展開しています。ですから、近い将来バラ十字会の活動が休眠期を迎えるのではと考える人がいるかもしれません。しかし現在までのところ、活動の休止は行わないというのが、AMORCの各国代表の一致した意見です。というのもバラ十字会の活動が、現代社会において、これまで以上に重要になり、必要とされていると考えられるからです。確かに現代において、人類は絶望的に展望を失い、存在の意味を探し求めており、バラ十字会の知識と哲学が有益さを増しています。ますます多くの人が実存的な問いを投げかけ、世界をより良い場所にするために何ができるかを考えるようになっていることも、当会が活動を休止しない理由です。当会の各国のサイトを訪れる人が大幅に増えていることからも、当会への期待がわかります。
『バラ十字友愛組織からあなたへの訴え』
人類がここ数十年直面している多くの分野での危機を克服して、前途有望な未来を築くためには、精神性(spirituality:スピリチュアリティ)の重視、人間の尊重(humanism:ヒューマニズム)、そして環境の保護(ecology:エコロジー)の3つを、社会が選択してその基礎としなければなりません。このことはまさに、2016年に世界中で発表された当会の宣言書『バラ十字友愛組織からあなたへの訴え』(Appellatio Fraternitatis Rosae-Crucis)のテーマになっています。
付記:上記のリンクまたは、下の表紙写真クリックすると、この宣言書の日本語版を読むことができます。

この宣言書の結論にはこう書かれています。「以上のことから、私たちはこれまで以上に、人類が精神性の重視、人間の尊重、環境の保護という方向性を打ち出し、自らを再生し、あらゆる面で生まれ変わった『新しい人類』へと移行することを願っています」。17世紀の薔薇十字団も「友愛組織の声明」(ファーマ・フラテルニタティス:Fama Fraternitatis)で、すでにこのような再生を訴えていました。しかし当時の宗教や政治や経済の保守的な考え方によって、この先駆的な呼びかけは拒絶され、自由思想家たちにだけしか聴き入れられませんでした。私たちバラ十字会AMORCは、現在の世界情勢を考慮し、この呼びかけを多くの人に再び提示することが有益かつ必要だと考え、より多くの人たちから好意的な反応が得られることを願って、この宣言書を発行しました。
バラ十字友愛組織
現在、精神の崇高さ(spirituality:スピリチュアリティ)を求めるほとんどの人が、本を読んだり、会議に出席したり、セミナーに参加したり、インターネットを探索したりして、個人的にこの探求を行っています。
このような取り組みは、とても立派なことです。とはいえそこには混乱や、一面的、断片的になってしまうリスクがあります。バラ十字会AMORCで学習を行うことによって、このリスクが避けられます。当会の学習システムは包括的で、体系的に構成されているからです(初心者課程が4段階、本科課程が12段階)。
さらに、人は自覚しているか否かにかかわらず、集まり、意見を交わし、協力し合うことを必要としています。現在は、行き過ぎた個人主義がほとんどすべての社会に蔓延していますが、やがて、他の人と一緒にいたいという望みが再び燃え上がるに違いありません。このことが理由で当会は、個人的な学習を会員に提供すると同時に、定期的に集まり、当会が大切にしている友愛精神を体験できる機会を提供し続けています。

体験教材を無料で進呈中!
バラ十字会の神秘学通信講座を
オンラインで1ヵ月間
体験できます
無料でお読みいただける3冊の教本には以下の内容が含まれています

第1号:内面の進歩を加速する神秘学とは、人生の神秘を実感する5つの実習
第2号:人間にある2つの性質とバラ十字の象徴、あなたに伝えられる知識はどのように蓄積されたか
第3号:学習の4つの課程とその詳細な内容、古代の神秘学派、当会の研究陣について
執筆者プロフィール
セルジュ・トゥーサン
1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。 多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。
本庄 敦
1960年6月17日生まれ。バラ十字会AMORC日本本部代表。東京大学教養学部卒。
スピリチュアリティに関する科学的な情報の発信と神秘学の普及に尽力している。
詳しいプロフィールはこちら↓
https://www.amorc.jp/profile/





