以下の記事は、バラ十字会日本本部の季刊雑誌『バラのこころ』の記事を、インターネット上に再掲載したものです。
※ バラ十字会は、宗教や政治のいかなる組織からも独立した歴史ある会員制の哲学団体です。

ローリーと釘の物語
The Story of the Nails
ルイーズ・レーン
By Louise Lane

昔々、あるところに、とても難しい性格の男の子がいました。ローリーは、かんしゃく持ちで乱暴で、家族にも友だちにも、そして知らない人にも思いやりがありませんでした。ですから、彼の両親は、彼がこの先どうなってしまうのだろうと思い悩んでいました。両親はいろいろなことを試してみましたが、何一つうまくいきませんでした。けれども息子が、もっと素直で愛情深い人になれることを確信していました。
ある日のこと、垣根のフェンスを作っているとき、父親に突然ある考えが浮かびました。そして、息子をそばに呼んで、釘が一杯に詰まった袋を渡して話しかけました。
「息子よ、これから先は、腹が立ったりかんしゃくを起こしそうになったときにはなあ、お前のためにお父さんが作った、庭の美しいフェンスに、この金づちで釘を一本、打ち込むんだよ。」
父親が長い時間をかけて作ったフェンスをローリーは見つめました。それを台無しにしてもよいと言っているのです。ローリーはすぐにうなずきました。その最初の日に、彼は37本の釘をお父さんの庭の新しいフェンスに打ち込みました。しかし、いったい何が理由だったのでしょうか。もしかしたら、その後の数週の間、寒い日も雨の日も、かなり多くの釘を打ち込むことが日課のようになってしまったからかもしれません。ローリーは確実に自分をコントロールすることを覚え、フェンスに毎日打ち込まれる釘の数は次第に少なくなっていきました。彼はまもなく、かっとするたびに庭に走り出てフェンスに釘を打ち込むよりも、自分をコントロールする方が簡単であることに気づきました。
ついに、ローリーが、父のフェンスに釘を打ち込む必要を一日中感じない日がやってきました。自分の変化にローリーは喜び、金づちと釘を持って、お父さんのところに走っていきました。もうそれが必要でなくなったことを、どうしても伝えたかったのです。息子のこの数ヵ月の進歩をとても喜んでいた彼の父親は、それでもローリーよりも、もっと先を見据えていました。彼は息子に、もうしばらくの間、金づちと釘を持っていて、これから先は、怒るたびに釘を打ち込むだけでなく、腹立ちを抑えることがうまくいった日は、フェンスから釘を一本抜き取るようにと言いました。何週間かがたちました、ローリーはついになし遂げたと思いました。とうとうフェンスから、すべての釘が抜かれたので、もうすぐ普通の暮らしに戻れるかもしれないと思ったのです。お父さんのところに行き、ローリーが金づちと釘を返すと、父は大きく手を広げ、彼を強く抱きしめました。それは、友人たちが見ていないときであれば、ローリーが何よりもして欲しかったことだったのです。
父はローリーの手を取って、フェンスのところまで連れて行き、こう言いました。
「息子よ、よくやった。君をとても誇りに思うよ。けれど、どれだけフェンスに穴を残したかを見てごらん。ほら、元通りには決してならないのだよ。お前が誰かに腹を立てて、きつい言葉でなじったときには、お前のために私が作ったフェンスにあいた穴のように、その人に、消えない傷ができてしまうのだよ。お前はナイフのような言葉で人を傷つけることができるし、ナイフを抜くようにその言葉を取り消すこともできる。でも、いつでも傷が残ることになるのだよ。何度謝ろうがそれは問題ではない。傷あとは残ったままになる。そして、言葉によってつけられた傷も、体につけられた傷と同じように痛むのだよ。だから、愛する息子よ、話す前にはいつでも、注意深く考えなさい。」
ローリーは涙を頬につたわせ、黙ったまま二人は地面に座りました。そしてローリーは、彼の最も愛し尊敬するお父さんの腕の中に飛び込みました。
※上記の文章は、バラ十字会が会員の方々に年に4回ご提供している神秘・科学・芸術に関する雑誌「バラのこころ」の記事のひとつです。バラ十字会の公式メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒント」の購読をこちらから登録すると、この雑誌のPDFファイルを年に4回入手することができます。
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