投稿日: 2018/04/27
最終更新日: 2022/12/09

 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

暦の上での夏の始まりは立夏の日で、今年は5月5日だそうですが、東京板橋はもうすっかり初夏の陽気です。

いかがお過ごしでしょうか。

 

ふと思ったのですが、日本人の優れた点のひとつは、日常的に感謝を表わす習慣があることではないでしょうか。

食事の時にはほとんどの人が、「いただきます」、「ごちそうさまでした」と、用意してくれた人どころか、命そのものにも感謝しますし、「ありがとうございます」も、とてもよく使われる言葉ではないでしょうか。

 

 

実は先日、当会のフランスの代表が、感謝を話題にしてブログ記事を書いたのですが、それによると、フランスでは最近、親切を受けたり世話になったりした人に感謝を表わすことが少なくなっているようなのです。

 

日本にも最近、そのような傾向があるでしょうか。私はそれほど実感していませんが、もしそうだとしたら、ほんとうに悲しいことです。

以下に、この記事の翻訳を紹介させていただきます。

▽ ▽ ▽

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサンのブログ

記事「感謝について」

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン
Serge Toussaint

 

人間を気高い存在にしている道徳的長所の中でも、話題にされることがあまりない長所があります。それは感謝ということです。

感謝とはもちろん、お世話になったり親切な行ないをしてもらったりしたときに、お礼の気持ちを表わすということです。また広い意味では、恩を受けた人を大切に思うことです。

食事へ感謝して手を合わせる

 

何らかの形で、誰かに助けてもらったことが一度もない人は、ほとんどいないのではないでしょうか。しかし残念なことに、受けた親切を心からありがたく思うどころか、感謝の気持ちを何らかの方法で表す人でさえ、それほど多くなくなってしまいました。

 

なぜ現代社会では、感謝を表わすことが少なくなってしまったのでしょうか。さまざまな状況において自分が受けたよい行ないのことを無視したり、そこから目を背けたりする傾向が関係しているのでしょう。そのような善行が当然のことであると考える人が増えたことが理由かもしれません。

そして時とともに親切にまつわる人と人の関係が希薄になり、親切を受けた人が、それに感謝を感じなくなることさえ起きています。

極端な場合には、親切に対して、悪意や反発をほのめかす言葉で応じたりすることさえ起こっています。親切の価値が認められない場合には、悪意や恨みや憎悪が生じることが良くあります。

 

それでは、親切にしてくれた人にどうしても感謝を感じることができない場合には、私たちはどのようにしたら良いのでしょうか。そのような場合に最低限できることは、その人に対して敵意を持つことだけは避けるということだと思います。

私の考えでは、親切ということに関して理想的な態度は、人や集団や社会に一度でも助けてもらったり、あるいはそのサービスを利用したりしたことがあるならば、恩を受けたと常に考えることです。

もし誰もがこのことを心がけたとしたら、世界から恩知らずな行ないは、ひとつもなくなることでしょう。

 

私たちが感謝しなくてはならないのは、親切にしてもらった人に対してだけではありません。私たちの誰もが、地球に感謝の思いを感じるべきです。

実際のところ、私たちはあらゆる面で地球から恩恵を受けています。やや擬人的な言い方になってしまうかもしれませんが、人類が必要とする無数に多くのものを地球が提供してくれています。間違いなく地球は私たちの“母”であり、私たちが愛すべき対象です。

残念なことに私たち人類は十分にはこのことに気づいておらず、そのため人類は地球に対して極めて恩知らずな行ないを続けています。このことを確信するためには、地球が現在どのような状態にあるのかをちょっと調べてみるだけで十分です。

The Earth seen from Apollo 17
By NASA/Apollo 17 crew; taken by either Harrison Schmitt or Ron Evans [Public domain], via Wikimedia Commons

 

世界全体を見渡してみると、多くの人が生活に困難を抱えているばかりか、苦痛に満ちた暮らしをしています。十分な食事が得られない人、まともな住居で暮らすことができない人、最低限の快適ささえ得られない人がたくさんいます。

そこまでひどい状況ではないとしても、人生には波乱がつきものであり、病気、事故、失業などとまったく無縁な人は誰もいません。

 

そのような状況にある私たちが、どのようにしたら、人生に対して感謝の念を持つことができるでしょうか。

できるだけ幸せであることはすべての人の権利であり、この権利を満たすことは実際に可能であり、それを実現するかどうかは私たち人類全体に任されているということをどうか忘れないでください。

その実現には、私たちが個人としても集団としても、道徳性と意識レベルにおいて進歩することの重要性に目覚める必要があります。

この進歩によって私たちは世界をより良い場所に変えることができ、いつの日か、「人生に感謝します」と誰もが言うことができるようになります。

 

バラ十字会AMORCフランス本部代表
セルジュ・ツーサン

 

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。

多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。

本稿はそのブログからの一記事。

△ △ △

再び本庄です。

記事の中で、裕福な国と貧しい国の格差が話題になっていました。このことが国際的な課題として広く知られてからもう何十年もが経ちますが、状況はひどくなっていく一方のようです。

 

2014年に当会が発行したマニフェスト(宣言書)にも指摘されていますが、この格差の最大の原因は、経済活動によってもたらされる生産物や天然資源が、すべての人間を尊重する精神に基づいて運用管理されていないことです。

そして、その根本にあるのは人間のエゴイズムです。人類の一員としてこのことをほんとうに恥ずかしく思います。

 

参考記事:『バラ十字友愛組織からあなたへの訴え』(2014年)

https://www.amorc.jp/pdf/manifesto2014_appellatio.pdf

 

最後までお付き合いくださり、どうもありがとうございました。

 

よい連休をお過ごしください。

では、また。

 

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