
山下 勝悦
※ バラ十字会は、宗教や政治のいかなる組織からも独立した歴史ある会員制の哲学団体です。

つい先日、新聞広告で著者・夢枕獏「陰陽師・氷隠梅ノ巻」の発売を知りました。
いつもですと、すぐにも「本屋さんに直行」となるのですが、この歳になりますと冬の季節の車の運転はどうも……
後日、晴れの合間を見て本屋さんに行ってきました。

さて、本題に入りましょう。
一話目の「あちちの関白」はいつも通りに安倍晴明と源博雅が酒を酌み交わしながら会話する場面から始まりました。
ここで源博雅が安倍晴明に「やはりこの世に神は存在(おわ)すのだよな」と言うのです。
すると安倍清明が「それを『呪(しゅ)』という原理で説明するならばだ……」と言葉を返すのです。
すると、お約束通りに源博雅がうろたえるのです(笑)。
ちなみに『呪』に関しての安倍晴明の説明によると『名前』がこの世で一番短い『呪』なのだそうです。人も含めてこの世の全てのモノに名前が付く事によって『存在』という『形』が現れる(見える)と言うのです。そして、こういったことを『呪』と呼ぶのだそうです……
う〜ん!? 私には何となく分かったような、そうでないような?
何しろ、長年に渡って使い古した私の頭脳ではそう簡単には「理解」という名のゴールにはたどり着けません(笑)。
さて、これでは話が前に進みません。そこで、源博雅殿に一言お願い致しましょう(笑)。
「待て、晴明!!お前が『呪』の話を始めると話がややこしゅうなる……!!」。
これは安倍晴明が呪を話題にした時の源博雅の常套句です。
はい、博雅殿ありがとうございました。

さて、気を取り直して本題に戻ることにしましょう(笑)。
今回は前述の「あちちの関白」を含めて八篇の作品が収められています。
私の一番のお薦めは「色は匂へど」です(但し、個人的な見解ですので、ご理解の程を……)。
物語は散らない桜という「鬼」(いわゆる妖怪)になった女と蘆屋道満との摩訶不思議な会話を中心に進んでいきます。
そして、この二人(?)の会話にふとしたことから源博雅が巻き込まれていくのです。
鬼となった女を蘆屋道満は「助けることは出来ぬ」と言うのですが、笛の名手、源博雅の奏する笛の音を聴くと「良き笛にござりましたなあ……」といって無数の花びらと共に天空に消えて行くのです。
そして、最後に蘆屋道満が源博雅に掛けた言葉、これが良いんですよね〜!!
詳しくは本を読んで下さい。

次のお薦めは「碧瑤杯(へきようはい)」です。
ふとした事から碧瑤杯という名のお宝を手に入れた(拾った)藤原兼家が、鬼たちが開いていたお宝交換会の場に引きずり込まれてしまう、といった内容です。
実は藤原兼家がお宝交換会の場に引きずり込まれたのは蘆屋道満の思惑が絡んでのことだったのです。
鬼達の話の流れから藤原兼家が鬼達に食われそうになってしまいます、するとその場に蘆屋道満が現れ、鬼達との交渉の末に藤原兼家は命拾いをします。
次に蘆屋道満は天一神(なかがみ)が持ち込んだ唐の詩人・李白の真筆と云われる書きつけ(メモ用紙の様なモノ?)と碧瑤杯との交換の話を持ち掛けるのです。すると天一神は交換に応じ、蘆屋道満は李白の真筆の書きつけを手に入れるのです。
すると、天一神が蘆屋道満に「それを何に使うつもりか?」と問うのです。
そのときの蘆屋道満の返事が実に爽快・明快!! 本当の贅沢とは何なのか?ということを考えさせられました。
他の六編のどれも、安倍晴明・源博雅・蘆屋道満、さらに鬼たちが同じ空気を吸いながら暮らしていた平安の時代にタイムスリップさせてもらえる楽しい作品となっています。

※上記の文章は、バラ十字会日本本部が発行しているメルマガ「神秘学が伝える人生を変えるヒント」の記事のひとつです。このメルマガの購読をこちらから登録すると、毎週、配信記事が読めるほか、季刊雑誌「バラのこころ」(神秘・科学・芸術)のPDFファイルを年に4回入手することができます。
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