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陰陽とプラスマイナスについて

2015年10月2日


 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

バラ十字会日本本部代表、本庄のポートレイト

 

今週の始め、9月27日の日曜日はスーパームーンで、しかも中秋の名月でした。東京板橋は日暮れ時は曇りがちでしたが、夜の9時ごろには幸いなことに雲が晴れ、見事な満月を見ることができました。

そちらではご覧になれたでしょうか。

 

スーパームーンとは、月がやや楕円の軌道上にあるため、地球に近づいたときに起きる満月で、通常よりも1割ほど大きく、明るく見えるのだそうです。

中秋の名月が、いつの満月を指すのかは旧暦(明治6年以前に使われていた暦)によって定められています。旧暦では秋は7月~9月のことで、そのうちの8月が中秋と呼ばれます。旧暦は「太陰太陽暦」という暦で、月の満ち欠けを一ヵ月の基準としており、毎月の1日は必ず新月になり15日は必ず満月になるように作られています。そこで、8月15日の満月が中秋の名月ということになります。

 

「太陰」は耳慣れない言葉だと思いますが月の別名です。月は太陽の妻であるという伝説が世界中にあり、「太陽」の対にあたるものという意味で「太陰」と呼ばれているようです。

この2つの言葉はおそらく、古代中国の陰陽(いんよう)思想から来ています。この世の中のすべての事物を生じさせたり変化させたりしているエネルギーには、陰と陽という2つの種類のものがあるという考え方です。陰は、月、秋、北、夜、女性を司(つかさど)る気(エネルギー)であり、陽は日、春、南、昼、男性を司る気であるとされています。

この陰陽思想は『易経』という儒教の聖典で説明されています。『易経』の作者は、伏羲(ふっき)という名の伝説の帝王かつ神とされる存在だとされています。その妹かつ妻が女媧(じょか)であり、この夫婦(兄妹)から人類が生じたという言い伝えがあります。

 

陰陽思想は、政治に重要だった暦や占いだけでなく、医学にも重要な影響を与えています。たとえば、『傷寒論』という漢方医学の代表的な書物では、発熱を伴う急性の病気が進行する様子を、前半期の「陽病」と後半期の「陰病」に分けています。陽病とは、熱を出しながら病気と戦っている段階であり、陰病とは、生命力が弱り悪寒が主になった段階です。

この陰陽思想は、平安時代に日本に伝わり、陰陽(おんよう、おんみょう)道となりました。この陰陽道に基づいて、朝廷のために暦を定め、病気の治療などを行なっていた官職が陰陽師です。有名な人物に、賀茂忠行・保憲、安倍晴明がいます。

月とすすき

 

一方、以前にもご紹介したことがありますが、バラ十字会の神秘学は、おおまかに言えば西洋の伝統であり、その基礎になっているのはエジプトやギリシャ、ローマの古代思想です。

ところが不思議なことに、人体と健康に関して、東洋の陰陽思想とそっくりのことが、この神秘学にも伝えられています。

まず、体温などの体の状態を一定にコントロールしているのは自律神経系であり、この自律神経系は、根源的生命力というエネルギーによって作動しているとされています。そしてこの生命力には、プラスの生命力とマイナスの生命力があります。このうちプラスの生命力は太陽に由来し、人は大気から呼吸によってこのエネルギーを取り入れるとされています。またマイナスの生命力は、大地のエネルギーにあたり、人は大地で育った食物を消化、吸収することによってこのエネルギーを取り入れるとされます。

 

バラ十字会の神秘学だけでなく、世界中の多くの神秘思想に共通する考え方ですが、何かある物に中心と周囲がある場合、その中心を活動させるエネルギーはプラスが優勢になり、周囲を活動させるエネルギーはマイナスが優勢になるとされます。

中国で、日の光を発する星に太陽という名を付け、月に太陰という名を付けたのは、とても古い時代のことではないかと思います。そうすると不思議に思うことがあります。月が地球の周りを回っているので、エネルギー的にマイナスであると考え「太陰」と呼んだのは当然で自然なことに思うのですが、「太陽」という呼び名を付けたということは、西洋で地動説が唱えられるよりも何千年も前に、地球が太陽の周りを回っていることを、もしかしたら古代中国の賢者は知っていたのでしょうか。

もうひとつ不思議に思うことがあります。原子の構造が、中心核と周囲の電子からなることが分かったのは、20世紀の始めの頃のことですが、物理学者は、原子核の電荷(電気)をプラス、周囲を回る電子の電荷をマイナスと定めました。電気コードを流れる電流などを考えると、電子の流れと電流の向きが反対になるので、この定め方は実用上、あまり自然ではありません。しかも、原子核をマイナス、電子をプラスと定めたとしても、物理の法則を書くのには何の不都合もないのです。しかし、まるで先ほどご紹介した神秘思想の伝統に従うかのように、中心がプラス、周囲の電子がマイナスとされているのを不思議なことに感じます。

 

話を戻しますが、バラ十字会の神秘学では、大部分の病気は、全身またはある器官で、2つの生命力のバランスが崩れた結果起こると考えています。感染症の場合が多いのですが、マイナスの生命力が足りない場合には、発熱を伴う病気として症状が現われます。この場合、マイナスの生命力を補うことが病気からの快復の役に立ちます。一方、慢性病、生活習慣病に多いのですが、プラスの生命力が足りない場合には、発熱を伴わない病気として現われ、快復のためにはプラスの生命力を補うべきです。

病気のこのとらえ方は、先ほどの『傷寒論』とそっくりだと、お感じにはならないでしょうか。

 

バラ十字会の通信講座で学んでいる人は良く知っていますが、日常生活で、これらのエネルギーを十分に取り入れ、バランスさせ、病気が生じないようにするためには、適切な呼吸と食事をすることが重要になります。

 

以上のように、古代中国の陰陽説とバラ十字会の神秘学は、人体のエネルギーや病気についての考え方がとても良く似ています。その理由が、この2つに共通する思想が元になっているためなのか、それともある時代に、一方からもう一方に情報が伝わったためなのか、あるいは、この世界と人体を司っている根本法則をこの2つの伝統思想が独自に発見したためなのか、このことは私には分かりません。

ただ、起源とされる地域も、使っている用語もまったく異なる伝統が、そっくりな考え方をしていることに、とても驚きを感じます。

 

いかがでしたでしょうか。健康に関わるテーマですし、「気」という文字は、「陰気」、「陽気」、「天気」など日常会話のいたるところに現れるので、ご興味をお持ちいただけたのではないかと思います。最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。

それでは、また。

 

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