こんにちは、バラ十字会日本本部の本庄です。今回はシューマン共振のことを話題にしたいと思います。
※ バラ十字会は、宗教や政治のいかなる組織からも独立した歴史ある会員制の哲学団体です。
シューマン共振とは
これから解説していきますが、まず手短にご紹介すると、シューマン共振とは、地球の地面と上空の電離層の間に、約8ヘルツという低周波数の電磁波が常に存在しているという現象です。ドイツの物理学者シューマンが発見したためこの名前が付けられています。
シューマン共振と電離層、雷の影響
ちょっとしたクイズです。地球全体で、雷はどのぐらいひんぱんに起きているでしょう。
答えは、比較的穏やかなときでも地球全体では、一秒間に200回ほど雷が起きているとのことです。
びっくりするほど多いですね。
この雷からは、電磁波が放出されています。
そして、海岸に打ち寄せる波の音や、川のせせらぎと似た、とても心地よく感じられる響きが、この電磁波から作り出されているようなのです。
電磁波というと難しそうに聞こえますが特別なものではありません。電気と磁気が一緒になって振動しているもので、テレビやラジオの放送局が発している電波と同じものです。
地上から100キロほどの上空には、電離層と呼ばれるイオンと電子からなる層があり、電磁波の一部を反射する性質があります。
そのため、ある種の電磁波は、電離層と地面の間を何回も反射して遠方に届きます。
世界中の国々の短波放送を聴くことができるのはこのためです。
地球という太鼓とシューマン共振
さて、バイオリンやギターの弦を弾くとある高さの音が出ます。
その音は、弦が短ければ高い音になり、弦が長ければ低い音になります。
同じように、太鼓の皮をたたけば音が出ますが、その音は、太鼓が小さければ高い周波数の音になり、太鼓が大きければ低い周波数の音になります。
ドイツの物理学者ヴィンフリート・オットー・シューマン(1888-1974)は、1952年に驚くべきことを思いつきました。
電離層と地面の間は、地球全体に張られた巨大な太鼓の皮のように働くのではないかと考えたのです。
調査の結果はまさにその通りでした。
雷がたたき続けているので、この太鼓はずっと鳴り続けています。
しかし出ているのは音ではなく電磁波です。太鼓がとても大きいため、とても低い周波数の電磁波が出ています。
後でご説明する太陽嵐などによって電離層が影響を受けるため、この低周波の電磁波はさまざまに変化しますが、そのような影響が少ないときは、1秒におよそ7~10回振動する(7~10ヘルツの)電磁波が基本振動になります。
この低周波の電磁波は、シューマン共振と呼ばれています。
つまりシューマン共振とは、地球という太鼓と雷というたたき手によって作り出されている、電磁波の響きです。
そして、音ではなく電磁波なので耳には聞こえませんが、海岸に打ち寄せる波の音や川のせせらぎのように、常に私たちの周りに響き続け、地磁気を微妙に変化させています。
人間の脳波とシューマン共振の効果
面白いのは、人がとてもリラックスしているときの脳波の周波数が、このシューマン共振の基本振動の周波数と同じ程度だということです。
人がリラックスすると、アルファ波と呼ばれる8~13ヘルツの信号が脳波計に表れるようになります。
瞑想などのテクニックを使ってさらに心を鎮めると、シータ波と呼ばれる4~8ヘルツの信号が脳波計に表れるようになります。
動物や人間は長い進化の歳月にわたって、シューマン共振という環境中の電磁波にさらされていたので、脳波がこの共振と密接な関係を持つようになったのだと思われます。
シューマン共振は動物にとっても人間にとっても、地球という母親の歌う子守歌のようなものなのでしょう。
シューマン共振の効果と太陽フレアの影響
ところで、太陽フレアという言葉をお聞きになったことがおありでしょうか。太陽の表面でときどき起こる大爆発ですが、この爆発の影響で、電磁波や電気を帯びた粒子が大量に地球に届くことがあります。この現象は太陽嵐と呼ばれています。
すると、先ほどご説明した電離層が一時的に消えてしまうことがあります。そのとき、シューマン共振も消えてしまいます。
子守歌が一時止んでしまうのです。
このようなときには、人の異常行動が統計的に増えるということが報告されています。
地磁気が動物や人間にさまざまな影響を及ぼしていることは広く研究されています。
1988年に行なわれた、国際伝書バトレースでは、ひどい太陽嵐の影響で、フランスから旅立ったハトの95%がイギリスのゴールに到着できなかったそうです。
シューマン共振が安定しているときには、自動車免許証の更新などのときに行なわれているテストで、光が点灯してからボタンを押すまでの反応時間が短くなるという報告がされています。
地球の子守歌に守られているときには、動物も人も、高い能力が自然に発揮できるようです。
スピリチュアルな実践と磁気の振動、シューマン共振の関連
最後にご紹介します。ある日本の研究者が、気功、ヨガ、瞑想、禅の実践者や、さまざまなセラピストの手から放出されている磁気の振動を調べたところ、その多くが、シューマン共振の振動数とほぼ同じ8~10ヘルツに集中していて、その強さは通常のおよそ1,000倍だったとのことです。
手から放出されるエネルギーについては、バラ十字会でも以前から知られており、会の提供している通信講座では、このエネルギーを強め、自身や身近な人の健康のために役立てるテクニックが紹介されています。
下記は、そのようなテクニックのひとつについての記事です。
またこの通信講座では、地磁気の睡眠の深さへの影響、脳波と意識の関係、瞑想の方法などについても学ぶことができます。
バラ十字会の研究機関であるバラ十字国際大学の医学部門では、手から放出されるエネルギーとグリア細胞の関係に注目しています。
グリア細胞とは、人間の脳に神経細胞よりも50倍ほど多く存在している細胞なのですが、神経細胞の位置を固定するなどのわずかな役割しか果たしていないと、比較的最近までは思われていたのだそうです。
今日は、シューマン共振を通して、動物や人の行動・能力が、地球自体や太陽の活動と密接に関連しているということをご紹介しました。
いかがでしたでしょうか。少しでも興味深くお感じいただけたら、とても嬉しく思います。
下記は私が前回書いた記事です。
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執筆者プロフィール
本庄 敦
1960年6月17日生まれ。バラ十字会AMORC日本本部代表。東京大学教養学部卒。
スピリチュアリティに関する科学的な情報の発信と神秘学(mysticism:神秘哲学)の普及に尽力している。
詳しいプロフィールはこちら:https://www.amorc.jp/profile/
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