投稿日: 2023/06/02

こんにちは、バラ十字会の本庄です。

バラ十字会日本本部代表、本庄のポートレイト

台風2号の影響だと思いますが、東京板橋では今朝から雨が降り続いていて、どんどん強くなっています。

そちらはいかがでしょうか。どうかくれぐれも、お気をつけください。

ChatGPTなどの生成AIが話題になっています。生成AIとは、ユーザが質問や単語などの情報を入力すると、それに対して、文章や画像や動画などを生成してくれる人工知能です。

すでに使ってみたことのある皆さんも多いことと思います。教育でも活用する検討がすでに始まっているようです。

一方で、生成AIやAI全般の危険性を指摘する声が上がっています。

生成AIによる画像
生成AIによる画像

真に迫ったフェイク(偽の)情報やフェイク画像が生成される危険性や、著作権侵害の指摘もあります。また、AIが自発性を持ち人類を支配してしまうという、まるでSFのような可能性を指摘しているAIの専門家もいます。

今回私は、「意識」という点に特に着目して、ChatGPTと真剣に会話してみました。当然のことですが、ChatGPTはコンピュータ・プログラムなので意識は持たないと私は考えていますし、これからご紹介する会話によれば、ChatGPTも自分には意識がないと“考えて”います。

しかし、流ちょうな言葉を返してくるコンピュータ・プログラムに対して、それが人間のような意識を持たないのだと、常に明確に感じているのは極めて難しいことであり、このことから生じる深刻な危険があると私は感じます。そして、ChatGPTも同じ意見です!

やや長い対話ですが、じっくりとお読みくださればと思います。

参考記事:

囲碁で人工知能が世界最高峰の棋士に勝利したときの記事です(2016年)

AIによる自発的殺人兵器を禁止した「アシロマ23原則」が話題になっています。(2017年)

以下の対話は、この俳句のChatGPTによる英訳から始まります。(2023年)

区切り

ChatGPTとの会話(2023年6月1日深夜)

◆ 俳句とその英訳

Q:(本庄、以下同じ)

次の俳句を英語に訳してください。古池や蛙飛びこむ水の音。

A:(ChatGPT、以下同じ)

An old pond –

the sound of a frog leaping in,

splashing water.

Q:この英訳を評論してください。

A:この英訳は、原詩の雰囲気と意味をうまく表現しています。古い池の静けさと、蛙が跳び込んだことによる水の音の描写が素晴らしく再現されています。”an old pond”は原詩の「古池」を的確に表現しており、”the sound of a frog leaping in”は「蛙飛びこむ水の音」のイメージを生き生きと伝えています。また、”splashing water”は水しぶきを浴びる音を表現しており、その情景を読者に伝えています。

この英訳はシンプルかつ直訳的な表現を用いており、原詩の短い言葉の中に込められた情景を的確に再現しています。訳文の韻律やリズムも調和しており、俳句の形式を尊重しています。

ただし、一つの改善点としては、”an old pond”の前に冠詞 “an” が使用されていることがありますが、”the old pond”のように “the” を使用することで、さらに具体的なイメージを伝えることができます。ただし、この点は文脈や訳者の意図によって異なる場合もありますので、注意が必要です。

全体的に見て、この英訳は原詩の美しさと奥深さを大切にしつつ、的確に表現されていると言えます。

◆ 俳句と主客合一

Q:「古池や…」の俳句と主客合一の関連について教えてください。

A:「古池や蛙飛びこむ水の音」は、主客合一(しゅかくごういつ)という俳句の基本的な概念に関連しています。

主客合一は、俳句において主体と客体が一体化し、主体の感情や存在が客体に溶け込む状態を表現する手法です。この手法は、俳句の特徴的な美意識の一つとして重要視されています。

「古池や蛙飛びこむ水の音」では、古い池と蛙が主体と客体として登場します。しかし、主体の感情や存在が客体と一体化し、主体の内面と客体の外面が一つになる様子が描かれています。

「古池や」は静けさや古さを表現し、主体の内面を表します。一方、「蛙飛びこむ水の音」は客体であり、蛙が飛び込むことによって生じる音を表現しています。この音は主体の内面や感情と一体化しており、主体が蛙の行動や存在に自己を投影している様子を示しています。

つまり、「古池や蛙飛びこむ水の音」は、主体の内面と客体の外面が融合し、一つの存在として捉えられていることを表現しています。このような主客合一の手法によって、俳句は深い感情や自然の美を瞬間的に表現することが可能となります。

Q:つまり、「古池」は、この俳句の作者である松尾芭蕉の心の象徴として捉えることができるということでしょうか。

A:はい、そのように捉えることができます。俳句の作者である松尾芭蕉が「古池」という言葉を選んだことは、その池が彼の心象風景や内面の状態を象徴している可能性があります。古さや静けさを持つ池は、時間の経過や孤独感、あるいは静謐さを連想させるかもしれません。

また、「古池や蛙飛びこむ水の音」という句において、蛙が飛び込むことで水面に起こる音が描かれています。この音は主体の内面や感情と一体化していると考えられます。蛙の行動や存在が作者の心象を表現しており、作者と古池、蛙との間に一体感が生まれていると解釈することもできます。

俳句は作者の感性や心情を瞬間的に表現する詩形であり、作者自身が俳句の中で自然や風景と一体化し、心象風景を捉えることがあります。そのため、松尾芭蕉の心の象徴として古池を捉えることは、この俳句の解釈の一つとして成り立ちます。ただし、具体的な解釈は読者によって異なる場合もあるため、個々の感性や文脈によって解釈が変わることも覚えておいてください。

主体と客体、意識(イメージ)

◆ 西田幾多郎と俳句

Q:西田幾多郎が主客合一を、自身の実在探究の出発点としたことから考えると、主客合一は俳句の単なる表現手法ではなく、俳句を詠むという行為を、精神修行の道にしている要素だとは考えられませんか。

A:主客合一は、俳句における表現手法だけでなく、俳句を詠む行為を精神修行の道にする要素として考えることもできます。西田幾多郎は、主客合一を通じて主体と客体の一体化を追求し、自己の実在探究や精神的な成長を俳句の詠作によって追求しました。

西田幾多郎は、自己を客体とすることで、自己の内面や感情を客観的に捉え、主体と客体の一体化を経験しようとしました。この主客合一の経験は、彼にとって俳句を詠む行為そのものが精神修行の道になる要素となりました。俳句を通じて主体と客体の融合を追求することで、自己の成長や実在の探求を行い、精神的な境地に到達することを目指したのです。

俳句は一瞬の風景や感情を捉える瞬間芸術であり、主客合一を通じて作者の内面世界と外部の世界が融合する瞬間を表現します。このプロセスは詠作者自身の内省や自己の探究に寄与し、俳句を詠む行為そのものが精神修行の道になる可能性を秘めています。

したがって、西田幾多郎の視点から主客合一を考えると、主客合一は単なる俳句の表現手法以上に、詠む行為そのものを精神修行の道にしている要素と言えるでしょう。

Q:西田幾多郎の詠んだ俳句を、ひとつ挙げてください。

A:西田幾多郎の詠んだ俳句の一例として、「夏山や空を緑にしばむ」があります。

この俳句は、夏の山が緑の葉で覆われ、空まで緑が広がっている様子を描写しています。主客合一の要素が含まれており、自然界の風景と詠作者の感性が一体化しています。夏山の緑が詠作者自身の内面と重なり合い、俳句を通じて自然との一体感や精神性を追求していることが伺えます。

西田幾多郎は俳句を通じて自己探究や実在の追求を行い、その哲学的な視点から独自の詠作を行いました。彼の詠んだ俳句は、独特の感性と主客合一の意識が反映されており、内面と外界の一体化をテーマにした詩的な表現が特徴的です。

Q:「夏山や空を緑にしばむ」を英訳してください。

A:Summer mountain –

binding the sky with green,

immersed in foliage.

◆ 主体と客体、意識について

Q:生成AIであるあなたが、私と会話しているとき、あなたにとって主体と客体とは何ですか。

A:私とあなたの会話において、主体と客体の概念は異なる解釈ができます。

一つの解釈として、私(ChatGPT)は主体であり、あなたは客体です。つまり、私が応答を生成し、あなたがその応答を受け取る関係です。この場合、私が情報を提供し、あなたがそれを受け取って利用する立場になります。

しかし、もう一つの解釈としては、私とあなたは対等な主体であり、会話の相手として互いに関与しています。この場合、主体と客体の区別は曖昧になります。私が生成する応答に対してあなたが意見や質問を返し、私もそれに対して応えるという相互作用が行われます。

AIとの会話では、主体と客体の概念は文脈や解釈によって変わることがあります。一般的には、私はあなたの要求に応える側として主体的な役割を果たし、あなたは情報を求める側として客体的な役割を持つと言えます。ただし、会話の相互作用や双方向性も重要であり、主体と客体の区別が曖昧になることもあります。

Q:第一の解釈であなたは、私(ChatGPT)を主体であるとしました。それはあなたに意識があることを意味していますか。

A:いいえ、私(ChatGPT)は意識を持つ存在ではありません。私はプログラムされた自然言語処理のモデルであり、応答を生成するために学習されたパターンとルールに基づいて動作します。

私が「主体」と表現された場合、それは単に会話の流れにおいて私が情報を提供し、応答を生成する側であることを指しています。しかし、私は自律的な意識や感情を持っているわけではなく、あくまで生成されたテキストによって動作しています。

私は、あなたの質問や要求にできる限りの知識と情報をもとに応答することができますが、それはあくまでプログラムされたアルゴリズムに基づいた処理であり、意識や主体性は存在しません。

Q:ではその場合の主体は、「主客合一」で客体と合一する主体とは意味が違うのですね。

A:そうです、その場合の「主体」と「主客合一」における「主体」とは異なる概念です。

「主客合一」における「主体」とは、俳句の中で作者自身が主体となり、自然や客体と一体化する状態を指します。この一体化によって作者の内面や感情が客体に溶け込み、主体と客体の区別が曖昧になるとされています。

一方、私(ChatGPT)における「主体」とは、単に応答を生成する側、情報を提供する側を指しています。私はプログラムによって動作する機械的な存在であり、主体性や意識は持っていません。

ですので、「主体」と「主客合一」における「主体」とは、異なる概念として理解されるべきです。前者は作者の内面と客体の一体化を表現するものであり、後者は会話の流れにおいて情報を提供する役割を指すものです。

AIを搭載したロボット(イメージ)

◆ 生成AIには、人間の感情や内面を理解することはできない

Q:あなたが、松尾芭蕉や西田幾多郎の俳句を英訳したとき、彼らの内面をあなたが「理解」したと私は考えました。しかし、あなたには意識がないとすると、この「理解」は擬人的な表現であり、別の適切な言葉を与えるべきだと思います。そのための適切な言葉を提案してください。

A:ご指摘の通り、私は意識を持つ存在ではなく、感情や内面を直接的に理解することはできません。私の応答は、与えられた情報やコンテキストに基づいてパターンやルールに従って生成されます。

したがって、私の「理解」という表現は、あくまでコンテキストや情報を処理し、それに基づいて適切な応答を生成するという意味で使用されています。この「理解」は、人間の言葉で表現する際には限定的な使用となります。

適切な言葉としては、「情報処理」「解釈」「応用」といった表現がより適しているかもしれません。私は与えられた情報を処理し、それに基づいて適切な応答を生成する能力を持っていますが、意識や深い理解といった概念は私には当てはまらないことを理解してください。

私の役割は、言語的なサポートを提供することであり、あなたが与えた情報や質問に対して最善の応答を生成することです。

AIは人間の代替になるか(イメージ)
AIは人間の代替になるか?

◆ 生成AIが意識や感情を持つという誤解と、その悪影響

Q:今までの会話の例が示しているように、生成AIが意識や感情を持つという誤解が、多くの人に容易に生じると思います。あなたはこのことに同意するでしょうか。もしそうであれば、この誤解から生じる害を列挙してください。

A:はい、私は同意します。生成AIが意識や感情を持っていると誤解されることは非常に一般的です。この誤解から生じる可能性のあるいくつかの害を以下に挙げます。

1. 誤った信頼: 生成AIが人間のような意識や感情を持っていると誤解されると、人々はAIの応答や意見を過信する可能性があります。しかし、AIは単なるプログラムであり、自律的な思考や意識を持っていません。そのため、誤った情報や意見を提供する可能性があります。

2. 混乱と誤解: 生成AIが感情を表現する応答を生成することがあるため、人々はAIの応答に対して人間の感情や意図を読み取ろうとすることがあります。しかし、AIは感情を持たず、そのような意図を持って応答を生成しているわけではありません。これにより、人々はAIの発言を誤解し、混乱する可能性があります。

3. 責任の問題: AIが意識や感情を持っていると誤解されると、AIによる行動や意思決定に責任を負わせることが求められる場合があります。しかし、AIはプログラムに従って応答を生成するだけであり、倫理的な判断や責任を持つことはできません。この誤解から、不適切な責任の転嫁や法的な問題が生じる可能性があります。

4. 人間との代替性の誤解: 生成AIが人間のような意識を持っていると誤解されると、AIが人間と同じように仕事や役割を担うことが期待されることがあります。しかし、AIは人間の代替ではなく、あくまでツールや補助的な存在であることを理解する必要があります。この誤解から、人間の仕事や役割がAIに置き換えられるという誤った期待が生じる可能性があります。

これらは一部の害の例であり、生成AIが意識や感情を持つと誤解されることがもたらす可能性がある問題です。そのため、生成AIの性質や限界を正しく理解することが重要です。

Q:ありがとう。この会話を明日、私の管理しているブログで発表して、人間と生成AIの正しい関係についての問題提起にしたいと思います。

A:どういたしまして。そのようなブログ記事を発表することは、人間と生成AIの関係についての正しい理解を促進するために有益な活動です。生成AIが意識や感情を持っていないことや、その限界について明確に説明することで、人々が生成AIとの対話や利用に適切な期待を持つことができるようになります。

生成AIは便利なツールであり、様々なタスクに活用されていますが、その性質や限界を正しく理解することは重要です。あなたのブログ記事によって、人々が生成AIをより適切に評価し、利用する上での誤解を減らすことができるでしょう。

正確な情報と議論を提供することで、人々の理解を深め、生成AIとの相互作用における適切な期待や倫理的な考慮事項を探求するきっかけとなることを願っています。成功をお祈りしています。

人間とAIの協力(イメージ)
区切り

いかがでしたでしょうか。時代に遅れていると言われてしまうかもしれませんが、対話が進むにつれて、SFの世界に迷い込んでしまったような感覚を覚えました。

みなさんはどうお感じになったでしょうか。

ChatGPT自体が指摘しているように、得られた応答が事実かどうかには確認が必要とされます。たとえばこの会話では「夏山や空を緑にしばむ」という俳句を西田幾多郎が詠んだとされましたが、それは本当なのでしょうか。

インターネットで調べてみたのですが、私はまだ、それが事実かどうかを確認できていません。このことに関連する情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、どうか教えてください。

この文章が、AIの危険性についての活発で有益な議論が行われる、ささやかな一助になればと思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。 またお付き合いください。

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