投稿日: 2020/03/27
最終更新日: 2022/08/08

 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

春分の日も過ぎました。ところが明後日は東京でも雪が降るかもしれないとのことです。花冷え、寒の戻りは毎年ありますが、雪の予報とは驚きました。

新型コロナウイルスのニュースで落ち着きませんね。いかがお過ごしでしょうか。

 

山形県にお住まいの私の友人から、楽器にまつわる話を寄稿いただいたのでご紹介します。

▽ ▽ ▽

記事:「楽器の話あれこれ」

バラ十字会日本本部AMORC 理事 山下勝悦

バラ十字会日本本部AMORC 理事 山下 勝悦

 

この文章をお読みになってくださっている皆さん方にお聞きします。

この世で最良にして最高と言われている楽器とは何なのか、ご存知でしょうか? バイオリンのストラディバリウス?

いいえ違います。正解は私たち人間です。人間とは言葉を発する楽器なのだと言われています。そのことに加えて、自分自身で音階を無段階にコントロールすることが可能です。極めつけは同じ声質の人は誰一人として存在しないということです。

お分かりいただけたでしょうか、私たち人間はこの世で最良にして最高の楽器なのです。

このことを合唱の指導を長年やっている知人に話したところ、返って来た言葉が『嬉しいですね~。ところで、もう一つ特徴があるでしょう? 持ち運びが楽…(笑)』。

 

さて、それでは本題に入りましょう。

今回は色々な楽器に関連した、楽しい(?)話しをちょっと。

ある時、三人の著名な文豪が一つのテーブルで文学論を語り合ったのだそうです。

いつしか話題がピアノの音色の話になりました。

すると、一人の文豪が『ピアノは名人が弾いても猫が鍵盤の上を歩いても出る音は同じだ』と。

するともう一人の文豪が『何を言っている、出る音は全く違う!!』。ついに大論争となってしまいました。

すると、もう一人の文豪は『こんな論争には関わる値打ちは無い(怒)』。と言い残し、さっさと退散してしまったのだそうです。

 

さて、皆さんはどう思われますか?

ちなみに、私は三人目と同じ意見です。

ピアノ演奏中の演奏家の両手

 

次の話に行きましょう。

津軽三味線の名手と云われた高橋竹山は尺八の名手でもありました。皆さんご存知でしたか?

いまだ無名の時代に生きるための手段として身に付けたのだったそうです。

そして、その演奏は仲間内から『竹山の尺八には到底かなわない、あんな尺八で(失礼な表現で申し訳ないですが、いわゆる安物)あれほどの音を出すのだから』と言われていたのだそうです。

数年前に当時の演奏が収録されたDVDを入手する事が出来ましたので尺八奏者の友人に聞いてもらいました。感想は一言『凄い!!』でした。

 

次は洋楽器のフルートの話に行ってみましょう。

フルートの価格は上で数百万円(四百万円まで聞いた記憶が有ります)、下で数万円と、大きな差があります。

この差は主に材料の価格の違いです。高い順にプラチナ・金・銀・洋白(合金です)等です。さらに数は少ないのですが木製品も作られています。

それでは高価なフルートほど良い音が出るのかと言われますとそうとも言い切れないのが楽器の面白くも楽しいところです。

最近ではクリスタルガラス製のフルートも販売されています。こちらはリコーダーの横笛版と言ったところでしょうか? こちらは一本一万円くらいから購入可能です。

外観のデザインは綺麗な花模様などがあしらわれており、ルームインテリアとしても立派に通用する造りとなっています。

そこで肝心の音色ですが、『天使の歌声』と表現した方がいましたがまさにその通り、透明感の有る実に神々しい音色で響いてくれます。

もし吹いてみたいと思われる方がおられましたならば、しっかりと腰を据え、覚悟を決めてから挑戦して下さい。見た目は可愛いのですが、半端でなく手強い楽器です。

ピンク色の布の上に置かれたフルート

 

最後にちょっと古い話で締めくくりましょう。

私が子供のころに父から聞いた話です。

ある村に軽度ですが知的障害を持つ若者が住んでいました。その若者は連日のように太陽が上がると共に一人で裏山に登って行き、陽が沈む頃になると帰って来る、という生活をしていたのだそうです。

そのことを村人の誰もが気に留めることはしなかったのですが。ある時、好奇心旺盛な一人の村人がこっそりと後を付けたのだそうです。

一体あいつは何をしに裏山に登っているのだろうと。

後を付けて山道を登って行くと、ちょっとした広い場所がありました。すると若者はその場に座り込み、懐から一本の竹の笛を取り出しピーヒャラ・ピーヒャラと吹き始めたのだそうです。

すると、つい今しがたまで雑木林の中で鳴いていた野鳥が一斉に飛び出し、若者の肩や頭にまとわり付き、若者の笛の音に合わせるかの様に大合唱よろしく鳴き始めたのだそうです。

これを見た村人、腰を抜かさんばかりにビックリ仰天したのだとか。

春の野道

 

私たちは一人一人が自分自身という名の楽器で人生という名の音楽を奏でているのだと私は考えています。

△ △ △

ふたたび本庄です。

私ごとですが、パイプオルガンの演奏を聴くのが好きで昨年は何度かコンサートに行きました。今は出かけるのを自粛していますし、実際のところ、東京ではほとんどのコンサートが中止されています。再び多くの人と一緒に音楽を楽しめる時が待ち遠しいです。

新型コロナウイルスの感染症で命を落とされる方が、日本でも世界でも、できるだけ少なくなることを祈念しています。

 

下記は前回の山下さんの記事です。

記事:『清兵衛とひょうたん

 

では、今日はこのあたりで。

 

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