公式ブログ

エゴ(自己中心的傾向)は心の中にいる敵か

2014年8月1日


 

バラ十字会日本本部の本庄です。こんにちは。

厳しい暑さの日が続きますね。頑張って乗り切っていきましょう。

バラ十字会日本本部代表、本庄のポートレイト

さて、よく使われる言葉ですがエゴとは何でしょう。簡単なようでもあり、よく分からないような言葉でもあるとお感じではないでしょうか。

エゴが人が陥りがちな自己中心的な傾向だとすると、私たちがエゴを克服しなければならないということには、ほとんど誰にも異論はないのではないでしょうか。エゴを克服すれば、人生のすべての問題は解決するとさえ言う人もいます。

しかし一方で、現代ではどうも、自己中心性の克服は、ある理由から難しくなっているようです。

今日は、当会のフランス代表のセルジュ・ツーサンが自身のブログで、その理由について書いた文章をご紹介させていただきたいと思います。

▽ ▽ ▽

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサンのブログ

記事「エゴについて」(A propos de l’ego)

バラ十字会AMORCフランス代表セルジュ・ツーサン

Serge Toussaint

バラ十字会で多くの方々が学んでいる哲学の考え方から言うと、あらゆる人には「エゴ」(ego)という部分があります。このエゴとは、目覚めているときに働いている意識が、実は表面的にですが“自分”であると考えているものであり、日常生活で、他の人々を理解するための基礎となっている部分です。

心理学的に考えると、エゴとは、私にとっては自分自身にあたり、他の人にとっては「その人」にあたります。エゴは身体と一体となって、自身や他の人の目に映っているような個性を形成します。つまり、エゴによって私たち一人ひとりは、自己意識を持つ、他の人から独立した個人となっています。

 

エゴには自己を主張する強い傾向があるため、もしエゴがコントロールされなければ、他の人の注意を引こうとしたり目立とうとしたります。さらに、自分の長所をひけらかしたり、地位や名誉を欲しがったり、お世辞を聞くことを望んだりするものです。

さらに言えば、エゴは自己中心的であり、自分が興味のないことには目もくれず、気にかけるのはもっぱら自分のことだけで、他の人のことを顧みないことが多いのです。

すでにお分りのことと思いますが、私たち人間が、傲慢で自分本位になりがちな原因は、エゴがこうした傾向を持っているからです。そしてこの2つの性質は、私たちがコントロールすることを学ばなければならない大きな欠点です。

なぜなら、傲慢さと自己中心主義によって、ある人が別の人を抑えつけるような関係が生じたり、社会に害がもたらされたりするからです。

AC_13PHAF16

傲慢さと自己中心主義が人間にありがちな悪い傾向であることを認めたならば、私たちは、自分自身と他の人たちの利益のために、この悪い傾向をより高次の欲求に置き換えるように、できるかぎり努力しなければなりません。ところが、現代社会は、エゴのこうした傾向をあおり立て、奨励さえもしています。

現代には、スポーツ選手やメディア番組の司会者のことをスターとしてもてはやすスターリゼーション(starlisation)という風潮、そして、個人のプライバシーをエンターテイメントとして取り上げるピープリゼーション(peoplisation)という風潮があります。この2つの風潮は、エゴの働きとして考えると、そのほとんどに説明がつきます。

そしてこの風潮はどの分野にも広まっています。政治やスポーツの分野でも、芸術や映画や歌謡界でも、報道やクイズ番組でもそうです。ラジオやテレビの番組では、名声や知名度や賞賛をも手に入れようとして、自分を笑いものにするなどのいかなる犠牲を払っても、つかんだ名声を手放すまいとする人が増えています。

 

今から3000年近く前にダビデ王は、「空しい、空しい。何もかもが空疎なのだ」と心の内を明かしたそうです。彼が現代によみがえったとしたら、どんな言葉を漏らすでしょう。

私たちが地上に存在している目的は、自身のエゴを克服し、つつましさや謙虚さといった魂の美徳を行動に表すためであるにもかかわらず、私たち人間が行っていることと言えば、誉めそやされ、こびへつらいを言われ、あがめられるように努めることばかりです。

メディア全般、とりわけテレビは、実際のところ意図して行なっているわけではありませんが、エゴの崇拝を原則とする「エゴ教」(egocultisme)と呼ぶことのできる新しい宗教を生み出しています。この新宗教はインターネットによってさらに広められましたが、残念ながら人類に有益なものは何ひとつもたらしてくれません。

なぜなら、その根幹にある誤った価値観によって、人間が本来の自己を見失ってしまうように仕向け、人は表面的なエゴを盲信する結果、〈絶対なるもの〉を見失ってしまうからです。

マスコミのイメージ写真

それでは私たちはエゴと戦い、これを根絶しようと努力しなければならないのでしょうか。答は「いいえ」です。エゴが私たちの一部である以上、それを滅ぼすことなどできません。

行わなければならないことは、エゴをコントロールし、有益で建設的な目的に向けることです。それをなし遂げるための最良の方法は、謙虚さと慎み深さを呼びさますことであり、このことは、自身が不完全であり進歩しつつある存在であるということを強く自覚することを意味します。

しかし先ほど触れた通り、現代社会がエゴを崇拝しているため、過去の時代よりもエゴをコントロールすることは難しくなっています。しかし、たとえそうであっても、英知に満ちた生き方を求めてやまないすべての人にとって、謙虚さと慎み深さが、達成しなければならない重要な目標であることに変わりはありません。

バラ十字会AMORCフランス本部代表
セルジュ・ツーサン

著者セルジュ・ツーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著書であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。本稿はそのブログからの一記事。

△ △ △

いかがでしょうか。あなたに、少しでも参考になったと感じていただけたなら、心から嬉しく思います。

それでは、また。

 

追伸:メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒント」に、こちらから登録すると、このブログに掲載される記事を、無料で定期購読することができます(いつでも配信解除できます)。


このページのTOPへ