バラ十字会日本本部の本庄です。こんにちは。
東京板橋は、この一週間ほど、雨が降ったり止んだりです。もうそろそろ、梅雨が近いのかもしれません。そちらはいかがでしょうか。
今回は、月におよそ2万人の方々が読んでいる、当会のフランス代表の人気ブログから、ある記事を紹介させていただきます。
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バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサンのブログ
記事「人口の過剰について」
翻訳 本庄 敦(バラ十字会AMORC日本本部代表)
1970年頃、私たちの惑星の人口はおよそ30億人でした。それが今では65億人になり、2050年には90億人に達するとされています。
現在、食べものと飲み水の不足に苦しんでいる人は約10億人もいて、まともな家に住むことができない人も無数にいます。貧困の中で生活を送らざるを得ない人と、治安が極度に悪い地域で暮らしている人を加えると約30億人になり、その中にはもちろん多数の子供が含まれています。
21世紀になって、もう十年以上が経つというのに、このような事実を認めざるを得ないということは、私たちにとって衝撃的なことであり、悲しく、心が痛む事態ではないでしょうか。特に、先進諸国の大部分で、快適さとぜいたくと大量消費がピークに達していることを考えるとそう思えます。
この悲劇的な状況を改善するためには、何をすればよいのでしょうか。天然資源と人類が作り出した富を、適切に分配する必要があるのは明らかなことでしょう。それと同時に、あらゆる国で、国民の利益と基本的人権を守るために政治が行なわれることも必要でしょう。
しかし実際には、この2つのことが実現されているというにはほど遠く、そのため、ある国と別の国の間でも、ひとつの国の人々の間でも、格差があまりにも大きくなっています。いまだに、人類のかなりの割合の人が極めて困難な状況で生きていますし、困難という言葉では足りない人たちもいます。
しかし、いつの日か、世界中のすべての国が国民の全員の利益のために政治を行なうようになり、また、天然資源と富が適切に分配されるように、国際的な取り決めがなされたとしたら、すべての人が飢えを満たし、きれいな水を手に入れることができ、まともな家に住み、職を得ることができると言えるでしょうか。
私個人としては、そうではないと考えています。というのも、地球が作り出し使えるようにしてくれる天然資源にはどうしても限界があり、人が作り出し管理することのできる富の量についても同じことが言えるからです。
ですから、世界の人口を制限することが必要であると私は考えます。人口の過剰が危機的な結果をもたらすのであり、貧しい、恵まれていない国では特にそうです。
男らしさや女性としての能力や一族の繁栄を単に証明するために、子供をもうけてはならないということを多くの人が納得することが、人口の調整のために重要です。利己的な欲求を満たすため、あるいは、誰もがそうしているからといって子供を作るべきではありません。
あなたがある宗教に属しているとしても、その宗教の神を喜ばせることも、その宗教を発展させることも、子供を作る正当な理由にはなりません。
しばしば口にされることですが、子供を作ることそれ自体は、驚くべきことにも賞賛されるべきことにもあたらないのではないでしょうか。生まれた子供に、必要なものと適切な教育を与え、責任ある立派な大人に育て、そしてもし可能であればその子を幸せにしたとき、初めてその行ないは、驚くべき賞賛すべきものになるのではないでしょうか。
偉大な詩人で哲学者であるハリール・ジブラーンは、何よりもまず子供とは、両親のもとに預けられた魂であると述べています。そして、人間と自然と、この世界の調和として表現されている〈創造主/神〉への愛と尊敬を、子供の中に育むことが両親に求められていると語っています。
バラ十字会の観点から言えば、私たちがこの地球上に生きているのは、精神的に進歩するためであり、この進歩とは、自身の心の奥に潜んでいる完全さを理解し、この完全さを自分の行ないを通して外に表すことを意味します。
このように考えると、人の総数ではなく人の徳の高さこそが進歩の指標なのではないでしょうか。
バラ十字会員の多くと同じように、人間の進歩とは、生まれ変わりを繰り返し〈一なるもの〉との再統合へと向かうプロセスであると考える人には、次のことも付け加えておきたいと思います。
肉体に宿っている魂の数が、急速に過度に増加してしまうことは、非物質的なこのプロセスを“希薄化し”、遅らせてしまうことになります。
あなたのご意見はいかがでしょうか。
バラ十字会AMORCフランス本部代表
セルジュ・ツーサン
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いかがでしょうか。とても明るい気持ちになる文章とは言えませんが、興味深かった、もしくは考えさせられたと、あなたが少しでも感じてくださったなら、心から嬉しく思います。
それでは、また。
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