アラン・C・インマン

下記の文章は、南アフリカ共和国のポート・エリザベスで開催された『音楽振興のための国立財団』の1976年の年次総会の際に歓迎メッセージとして用いられました。著者は無名の作家アラン・C・インマンで、1920年代に書かれたものです。
私の名は音楽、世界最古の芸術です。私は人の歴史よりも古く、私は永遠です。命がこの地球に生じる前でさえ、私はこの星の風と波の中にいました。最初の木々、花々、そして草たちが現れたときも、私はその間にいました。そして、人類が現れたとき、私はすぐに、さまざまな思いを表わすための、最も優美で繊細で有効な手段になりました。
人が獣たちよりもわずかに善良だったころ、私は力を及ぼして人を善に導きました。いつの時代も私は、人々に希望を与え元気づけました。人々の愛を燃え上がらせ、人々の喜びに歌声を与え、勇気のある行ないには励ましの歌を贈り、絶望の淵にある人には慰めの調べを与えました。
私は人生という舞台で重要な役割を演じてきました。この舞台の目的は、すべての善き性質を備えるように人を仕上げることです。私の影響を通して、人の性質は高められ、優しさを備え洗練されていきました。人の助けによって、私はすばらしい芸術になりました。
トバルカイン(訳注)からトーマス・エディソンまで、最も聡明な知性の持ち主たちは、さまざまな楽器を完璧なものにするために、ひたむきな努力を傾けてきました。それらの楽器によってあなたは、私の力を用い、私の魅力を楽しむことができます。私には、無数に多くの歌い手と無数に多くの弾き手がいます。私は、すべての人の心の中にいて、すべての人の舌の上にもいて、すべての土地にも、すべての民族の中にもいます。富んでいる人も、そうでない人も、学識のある人も、そうでない人も、同じように私のことを知っています。

なぜなら、私はすべての人が理解する言葉で、すべての人に向かって話しかけるからです。自分の魂の声に耳を傾けさえすれば、耳の聞こえない人でも、私の声を聞くことができます。私は愛を育む糧です。私は優しさと心の平安をすべての人に教え、勇敢な行ないへとすべての人を導いてきました。
私は孤独な人を慰め、多くの人の仲たがいをなだめます。私はすべての人にとって、なくてはならない楽しみです。私の名は音楽です。
訳注:トバルカイン(Tubalcain):旧約聖書の創世記に登場する人物で金属を鍛える者の祖先とされる。
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