こんにちは。バラ十字会の本庄です。
熊本など九州や、岐阜、長野で大きな被害が出ている今回の雨は、令和2年7月豪雨と名付けられたそうです。現地の方に、心からお見舞いを申し上げます。
梅雨はまだ終わっていませんので、どうか皆さんお気を付けください。
2ヵ月に一度ほど、名古屋市の図書館でお仕事をされている私の親しい友人から、このブログに寄稿をいただいています。
子供に本を紹介するブックトークというプレゼンテーションのための文章なのですが、多くの方々から楽しんでいますという感想をいただいています。私も、この文章が届くのを毎回楽しみにしています。
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ブックトーク「ちいさい、おおきい」
むかしあるところに、ちいさなおんなのこがいました。『ちいさなちいさなおんなのこ』(文/フィリス・クラシロフスキー、絵/ニノン、訳/福本友美子、福音館書店)
それはそれは、ちいさなおんなのこ。おんなのこは近所の誰よりもちいさいのでした。
ところがあるひ、きんぎょばちに手が届き、猫をだっこでき、犬より大きくなり・・・自分より小さなものをいろいろみつけました。おんなのこはおおきくなって・・・・・・。
ちいさいおんなのこには、どんなすてきなことが起こったのでしょうか。
じつは、ちいさいおうちにも、いろいろなできごとがおこったんですよ・・・・・・。『ちいさいおうち』(文と絵/ばーじにあ・りー・ばーとん、訳/いしいももこ、岩波書店)
むかしむかし、ずっといなかのしずかなところに、ちいさいおうちがありました。それはちいさい、きれいなおうちでした。ちいさいおうちが、たっているところも、時はどんどんたっていって・・・まわりの景色もかわっていきました。
木々が緑の葉で包まれ、やがて黄色や赤になり、冬が来て・・・・・・。あるひ、馬の引っ張ってない車が走ってきました。それは自動車でした。そうするうちに、ちいさいおうちのまわりには大きな道路ができ、電車が走るようになり、大きなビルができ・・・・・・。
ちいさいおうちは、どうなっていくのでしょうか。
お次はちいさなカバの子です。『ちいさなヒッポ』(作/マーシャ・ブラウン、訳/うちだりさこ、偕成社)
カバの子ヒッポは、うまれたときからおかあさんのそばをはなれたことがありません。そんなヒッポも、いよいよおかあさんから、カバのことばをおぼえることになりました。「グァオ、こんにちは」「グァオ!」
あるひ、おとなのカバたちが川のあたたかい泥にうまってねむっている時、ヒッポは川面の明るい方へと行ってみました。すると・・・ワニがしずかにしのびよってきて・・・・・・。ヒッポは大ピンチ!
では、小さいものと大きいものが逆になったら、どうなるんでしょう?『小さいのが大きくて、大きいのが小さかったら』(文/エビ・ナウマン、絵/ディダー・ヴィースミュラー、訳/岩松宜子、岩波書店)
もしネズミが大きくなって、猫が小さくなったら?ミミズが大きくなって、オンドリが小さくなったら? イモムシが大きくなって、キツツキが小さくなったら?
どんな感じなんでしょうね?
〈小さい人たち〉を知っていますか? 『床下の小人たち』(作/メアリー・ノートン、訳/林容吉、岩波書店)
日本ではコロボックルという名前を聞いたことがある人もいるかもしれません。こちらはイギリスのお話。小さい人たちは「借りぐらしの人たち」と呼ばれています。いなかのほうの、古い静かな家を好んで住んでいます。
そういった古い家の床下には、もしかしたら・・・・・・。小人の冒険シリーズとして、5冊あります。また、アニメ「借りぐらしのアリエッティ」の原作にあたります。
こちらは、小人の国を訪れた人の物語。『ガリヴァー旅行記』(作/J・スウィフト、訳/坂井晴彦、画/C・E・ブロック、福音館書店)
主人公は船医として世界各地を航海していたガリヴァー。南太平洋へ向かって航海中に、嵐にあって、どこだか知れない海岸にたどり着きます。そして疲れて草の上に横になり、眠ってしまいます。
目を覚ますと、ガリヴァーはびっくり! 身動きできなくなっていました。何本もの細い糸で地面にしっかりとしばりつけられていたのでした・・・・・・。
ガリヴァーは小人国リリパットのほかにも、大人国ブロブディンナグ、飛ぶ島ラピュータ、日本など、さまざまな不思議な国を見て歩きます。
大きさの違いで、見ているものや体験はそれぞれちがってきますね。ちいさいころ大きいと思っていたものが、大きくなってみるとそうでもないと思えたり・・・。どちらも自分の体験ですけどね。
おわり
紹介した本
『ちいさなちいさなおんなのこ』(文/フィリス・クラシロフスキー、絵/ニノン、訳/福本友美子、福音館書店
『ちいさいおうち』(文と絵/ばーじにあ・りー・ばーとん、訳/いしいももこ、岩波書店)
『ちいさなヒッポ』(作/マーシャ・ブラウン、訳/うちだりさこ、偕成社)
『小さいのが大きくて、大きいのが小さかったら』(文/エビ・ナウマン、絵/ディダー・ヴィースミュラー、訳/岩松宜子、岩波書店)
『床下の小人たち』(作/メアリー・ノートン、訳/林容吉、岩波書店)
『ガリヴァー旅行記』(作/J・スウィフト、訳/坂井晴彦、画/C・E・ブロック、福音館書店)
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ふたたび本庄です。
ふと思ったのですが、「ちいさい」という言葉は、口にしてみると、何か小さいような音の感じがしますし、「おおきい」という言葉は、口にしてみると、大きいような感じがします。皆さんもそうお感じにならないでしょうか。日本語は不思議ですね。
今回の紹介の中で、私が知っていたのは2冊でした。「ちいさなヒッポ」は、見ているだけで心がほぐれてくるような、美しい木版画の絵本です。
「ガリヴァー旅行記」は、皆さんもご存知のことと思いますが、毒が十分に効いた、風刺小説の歴史的傑作です。あまりにもすごい出来なので、人間嫌いにならないように気をつけて読まなければなりません。
岩波文庫もキンドル版もありますが、福音館書店版も、有名な第一篇「リリパット国」(小人の国)だけでなく、ほぼ完訳のようです。小学生ですと、かなり高学年向けですね。
いずれも、改めて読んでみたくなりました。このような文章に出会うと、読みたい本が増えすぎて困ります。
下記は可児さんの、前回のブックトークの記事です。
参考記事:『ふしぎ・ふしぎ』
また、お付き合いください。
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