アトン神へ捧げものをするアクナトン－バラ十字古代エジプト博物館のコレクションから

以下の記事は、バラ十字会日本本部の季刊雑誌『バラのこころ』の記事を、インターネット上に再掲載したものです。

※ バラ十字会は、宗教や政治のいかなる組織からも独立した歴史ある会員制の哲学団体です。

アトン神へ捧げものをするアクナトン－バラ十字古代エジプト博物館のコレクションから
Akhenaten Offering to the Aten – RC 2070

アメンホテップ４世は古代エジプト第18王朝のファラオであり、多くの神官の反対を押し切って一神教への宗教改革を行いました。彼は治世の９年目に自身をアクナトン（「アトン神の弟子」を意味する）に改名し、自分の名前からホルアクティ神の名を取り除きました。

彩色を施されたこの柱の破片には、アクナトンが、自身の信仰した唯一神であるアトンにお香を捧げている様子が描かれています。アクナトンはそのお返しに、アンクフ（訳注）によって祝福を受けています。この柱に刻まれているカルトゥーシュ（楕円形の印章）には、「ホルアクティの最愛の人」と書かれていることから、この遺物は、彼の治世の初期、９年目よりも前のものであることがわかります。

（訳注：アンクフ（ankh）：上部が輪になった十字。生命を意味するヒエログリフでもある。エジプト十字。アンサタ十字。）

石灰岩製、23×24ｃｍ、古代エジプト第18王朝期

当会は神秘学の源流が古代エジプトにあると考え、その研究に注力しています。研究拠点のひとつ、米国カリフォルニア州サンノゼ市にあるバラ十字古代エジプト博物館は、毎年10万人以上が訪れる人気の観光スポットであり、子供向けの考古学のイベントを開催して、地元の教育にも貢献しています。