以下の記事は、バラ十字会日本本部の季刊雑誌『バラのこころ』の記事を、インターネット上に再掲載したものです。
※ バラ十字会は、宗教や政治のいかなる組織からも独立した歴史ある会員制の哲学団体です。
内なる光
The Light Within
ウェンディ・ウィルソン
by Wendy Wilson
ギリシャのデルフィにあるアポロン神殿の入口の上には「汝自身を知れ」という言葉が書かれていました。私たちは自分自身に対する理解が深まり、存在するあらゆるものとの結びつきが強くなるにつれて、進むことができる多くの道を自分自身で切り開くことができるようになります。そして、人生の目的についての理解が深まり、その理解を基礎にして実際の生活を〈宇宙の法則〉に沿ったものにすることができます。
人間の体の各々の細胞はホログラムのようなものです。それは、体の他のすべての細胞についての情報を持っており、〈根源的生命力〉（Vital Life Force）と呼ばれるエネルギーで振動している細胞核を通して、他のあらゆる生きものと結びついています。私たちの身体、精神、感情、魂は、エネルギーを放つ光からなる体を通して結びつき、自身としての一体性を保っています。瞑想や視覚化のような心の深奥にかかわる実習を通して、私たちは信頼することと手放すことを学び、物質的な快適さへの執着を弱めることができます。その結果、光の体を築き、保持しておくことが難しいエネルギーを光としてつなぎ止め、身体に有益な変化をもたらすことができます。そして、より多くの力を蓄え、他の人に対してではなく、自分の人生のあらゆる面に影響を及ぼすことができます。
私たちには自由意志があります。身体のひとつひとつの細胞が持つ知性を尊重し、細胞に本来の働きをさせることを選択すると、身体には調和がもたらされて適切に機能するようになります。しかし、次のことを心得ておかなければなりません。私たちは、この人生でさまざまな状況を体験して、その状況を心の深いレベルにおいて理解します。あるいは、他の人の理解と学習を促し、その人が進歩の道を進むのを支援することもできます。それには大きな勇気が必要です。そして他の人を支援するという役割を受け入れた人からは、無条件の愛の輝きが発せられます。
私たちは自分自身が肉と骨と血で作られていると考えていますが、立ち止まって、体全体で振動しているエネルギーを感じ、体のそれぞれの部分に〈光〉を導き入れ、そのすべてが調和して機能することを求めると、増強された振動エネルギーを（しばしば熱の波として）感じ、他の高い振動数のエネルギーと結びつき、五感を超越した情報を手に入れることができます。
高い振動数の感覚、つまりサイキックな感覚に同調するようになると、私たちには「知っている」という感覚が発達し、信条や信仰に頼ることが減ります。つまり、他の人に依存することが少なくなります。自分に限界を設定することを止めて、型にはまった因襲の枠組みを超えると、自らの内部に宿る別の力が目覚めて、自分が望んでいる体験を創造し、望んでいることに相応する振動を引きつけることができます。
私たちはさまざまな制約に慣れてしまっていて、自分自身の責任を放棄しています。直観を大切にして生きる代わりに、医者やメディアや他の人からの情報、教育制度、政府、増加の一途をたどる人工的な法律に頼るようになっています。自分の責任を再び担い、あらゆる可能性を含んでいる自身の最も高いレベルの意識を信頼すれば、私たちは現在与えられている不自由な制約から自身を解放することができます。
私たちは、経験を超えたところにまで進むことで成長します。その途上で犯す失敗や出会う敵も、実際には大切な友人です。そこから学ぶことができ、可能なときは償うことができ、自分と他の人を許すことができるからです。そして進歩の道を前に進み、自身の内部と周囲に〈光〉が広がるための余地を作るために、私たちはそのような失敗や敵をあるがままに認め、拒絶しないことができます。
私たちが、他の人をあるがままにしておくという選択肢に気づくと、他の人との調和が自身にもたらされ、そうすることによって、他の人が自分自身の道に沿って進み、さらに〈光〉を増やすのを支援することができるようになります。
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