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子供は歴史を繰り返す

2020年7月3日


 

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

バラ十字会日本本部代表、本庄のポートレイト

 

東京板橋は、きのうまでの数日雨が降り続いていましたが、今日やっと晴れ間が見えました。蒸し暑い一日になっています。

いかがお過ごしでしょうか。

 

さて、時をさかのぼります。地球に最初に生物が現れたのは40億年ほど前のことだと言われています。

生命が最初に誕生した場所については、深海の熱水噴出口だという説もありますし、地底だという説もあります。宇宙から飛来したという説さえあります。要するに、まだ詳しくは分かっていないようです。

 

地球の最初の生物は、ひとつの細胞からなる生きもの(単細胞生物)でした。

その後生物は進化によって複雑になっていき、21億年前には細胞の中心に核を持つようになり、8億年前には多細胞生物が誕生したと言われています。

ちなみに私たち人間は多細胞生物であり、体は約60兆個の細胞からなります。

 

地球の生物の歴史の初期には、ほとんどの生きものが海中で生きていましたが、約8億年前に地上で生きる植物が出現し、約4億年前には、地上で生きる動物である両生類が現れました。

最初の人類だとされるアウストラロピテクス(猿人)が出現したのは約200万年前で、20万年前に、私たちホモ・サピエンスが誕生しました。

 

話は変りますが、人間の母親の胎内で卵子が受精したとき、胎児は単細胞です。その後この細胞は分裂を繰り返し、胎児の体は複雑になっていき、受精から数えて平均266日で誕生します。興味深いことに266日は、月の満ち欠けの周期(朔望月:29.53日)のちょうど9回分にあたります。

人間の胎児(イラスト)

 

人間と月の満ち欠けには他にも多くの密接な関連があります。詳しく知りたい方は、次の本をお読みください(翻訳の文体がやや古風ですが・・・)。

 

電子書籍『ライフマップ- 宇宙バイオリズム活用法
(バラ十字会日本本部翻訳委員会)

電子書籍ライフマップ表紙

 

とても不思議なことに私には思われますが、胎児はこの266日の間に、人類の祖先がたどった歴史をおおむね繰り返します。

個体発生が系統発生を繰り返すという言い方がされることもあり、反復説と呼ばれています。

あまりにも不思議なことなので、数多くの証拠があるにも関わらず、いまだに「説」として扱われているようです。

 

たとえば、動物が陸上へ進出するとき、体の循環器系には大変化が必要でしたが、人間の胎児の心臓血管系には、受胎後30日~37日に、これと似たような大変化が起ります。無事に出産するために特に注意を払うべき時期として知られています。

 

個体発生が系統発生を繰り返すということは、人間だけでなく、ニワトリやアゲハチョウなどの他の生きものにも当てはまるという多くの証拠があります。

参考記事:『アゲハチョウの幼虫と進化

 

胎児が人類の歴史を繰り返し、他の動物がその系統発生の歴史を繰り返すのはなぜなのでしょうか。ずっと疑問に思っていたのですが、最近ある本を読んでいて解決したように思います。

おそらく、人体や他の生きものの体が完成するためには、それ以外に方法がないのです。言い方を変えれば、生物の体が完成した歴史の段階をひとつひとつ通過していくことだけが、それが作り上げられるための唯一の方法なのです。

 

さらに驚くべきことに、このような繰り返しは、生まれた後にも続くことが知られています。

つまり、ヒトが誕生した20万年前から現代までの意識の進歩と同じ段階を、個々の現代人は、生まれてから成人になるまでに繰り返します。

 

この進歩の各段階は、現代の多くの心理学者によって詳しく調べられていて、学者によって細部に違いがありますが、おおむね次のように区分されています。

1.原始的段階

2.呪術的部族的段階

3.呪術的神話主義的段階

4.神話的伝統的段階

5.合理的近代的段階

6.多元的後近代的段階

 

たとえば2の呪術的部族的段階に、人類は約20万年前に達しました。そしておおむね、四大河文明の成立期に、次の3の段階に移行しました。

この時期の人々の集団は、多くの場合シャーマン(呪術師)によって束ねられていて、自分と部族内の人たちだけが同じ仲間だと見なされました。シャーマンは魔法の力によって、天候を左右したり病を治したりすることができるとされました。

自然界のあらゆる事物は、人間と同じ感情を持っているとされました。たとえば火山は、何かに怒っていて他を攻撃したいので噴火するのです。このような自然観はアミニズムと呼ばれます。

 

現代では、子供は平均的には1歳頃に呪術的部族的段階の意識を獲得し、3~4歳頃に次の段階の意識へと移行します。

もうずいぶんと昔の私の思い出です。ちょうど今と同じ梅雨の頃のことでした。確か3歳だった息子が、窓ガラスの外側についた雨粒のひとつひとつを、家の中からずっと熱心に見ていたのです。

 

どうしたのと聞くと、

「あのね、みんな羽が生えていて、お空に飛んでいけるんだよ。」

と教えてくれました。

 

正直、「この感性は天才!」と思いましたが、おそらくそれは親馬鹿であり、この頃の子供の意識の典型的特徴なのです。

そして、後になってこのときのことを彼に聞いたのですが、まったく覚えていませんでした。

 

子供の意識の発達が次の段階に達すると、古い段階の意識とともに体験した過去の思い出は、心に拒絶されて、思い出すことができなくなってしまうか、新しい意識によって再解釈される結果、事実とは異なってしまうこともあります。

子供の時の記憶を、そっくりそのまま思い出すことが、多くの人にとって難しい理由です。

林の脇の階段を昇る子供

 

子供の意識の発達が、人類史の意識の発達を繰り返すと言うことは、驚きであると同時に、そこから多くの可能性が見えてくるような気がします。

 

この写真は熊本県山鹿市にあるチブサン古墳の壁画です。おそらく呪術的部族的段階にある人たちが残したものです。力強く迫ってくるような感じがしますが、何を表わしているのかはさっぱり分かりません。

チブサン古墳の壁画

チブサン古墳の壁画

 

この壁画の謎は、3歳頃の子供か、そのころの子供の意識を詳しく研究した心理学者が解釈することが、真の理解に近づくための良い方法に思われます。

 

また反対の方向に活用することも考えられます。現代でも過去の時代でも、その当時その社会が達していた意識の段階にまで、多くの成人が達します。しかし一部の人たちは、それを超えてさらに先にまで進みます。

そのような人たちを研究することによって、先の時代を予測することができます。

米国の心理学者アブラハム・マズローは、このような人たちを研究した草分けにあたります。

特に、「人類の師」と呼ばれたようなごく少数の歴史上の天才は、その時代よりはるかに先の意識レベルに達していたようなのです。

 

前回の記事でお話ししたように、次の時代では、人間は他の生きものたちを自分たちの同胞と見なすようになり、他の動物の一部に教育を提供するようになるかもしれません。

この予測の根拠のひとつは前回ご紹介した人類の「自己中心性の減少」です。

参考記事:『歴史の転換点

 

さらに、「人類の師」と呼ばれる人たちの次のような言葉がそれを裏付けているように思われます。

 

「人間が、他の生きものを無慈悲に殺し続ける限り、人間は、健康も幸せも決して知ることがない。人間は動物を殺し続ける限り、互いに殺し合うからである。」(ピュタゴラス)

「『他の生きものもわたくしと同じであり、わたくしも他の生きものと同じである』と思って、わが身に引きくらべて、生きものを殺してはならぬ。また他人をして殺させてはならぬ。」(ゴータマ・シッダルタ)

 

皆さんは、これらの言葉について、どのようなことをお感じになるでしょうか。

 

今回も、やや長くなりました。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

今日はこの辺りで。

 

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