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自分とは何か

2021年1月8日


こんにちは。バラ十字会の本庄です。

バラ十字会日本本部代表、本庄のポートレイト

 

さて、エーゲ海の東、現在のトルコ共和国の西岸に、サモス(Samos)という山がちな小島があります。古代ギリシャ時代のことですがこのサモス島に、ムネサルコス(Mnesarchos)という名の宝石細工の職人が住んでいました。

彼は貿易商人でもあり、交易のためにサモス島からデルファイ(Delphi)を経由し、シリアへと妻とともに船旅をしていました。

デルファイはギリシャ最高峰のパルナッソス山の南斜面にある町で、この町にはギリシャ神話の最高神ゼウスから予知の力を授けられたというアポローン神の神殿があります。

この神殿では、忘我状態になったピュティア(Pythia)と呼ばれる女性司祭が、アポローン神の言葉(神託)を伝えてくれるとされ、その多くが驚異的な予言であったことから、当時の多くの人の信仰を集めていました。

アポローン神殿の遺構

アポローン神殿の遺構、Skyring, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で

 

ムネサルコスはこの神殿に立ち寄り、旅についての助言を求めることにしました。アポローンの神殿の司祭長を通して、女性司祭から彼に伝えられた言葉は次のようなものでした。

「あなたの今回の旅は有益なものになるであろう。あなたの妻は妊娠しており、生まれた子供は、あらゆる人間の中で最も聡明な人になるであろう。その子供は、この世のあらゆる学問において、人類に最も貢献する人になるであろう。」

 

間もなくムネサルコスの妻は出産し、生まれた子供には「ピュティアのように話すこと」を意味するピュタゴラス(pythagoras)という名前が付けられます。皆さんもご存知の、数学の定理で有名なピュタゴラス(ピタゴラス)です。

ピュタゴラスは数学者としてだけでなく、物理学者としても神秘家としても優れた功績を残しています。後の時代のあらゆる神秘学(神秘哲学:mysticism)が彼の影響を受けています。まさに先ほどの予言の通りに思われます。

 

当時アポロの神殿では、ある名高い神秘学派が活動していたことが知られています。そして神殿の正面入り口の上方には、「汝自身を知れ」という言葉が掲げられていました。

「汝自身を知れ」というこの言葉を皆さんはどのように解釈するでしょうか。「身のほど(自分の地位、能力)をわきまえて、謙虚になりなさい」というような解釈をされるのが一般的のように思います。

ところがこの言葉には次のような続きがあり、それを考え合わせると、まったく異なる意味に感じられてきます。

「汝自身を知れ。そうすれば汝は、万物と神々を知るであろう」

 

この言葉は、古代ギリシャの哲学者タレスのものだと考えられており、「本当の自己について知りなさい」というアドバイスを表しているという解釈があります。

 

あなたが自分自身だと感じているものは何でしょうか。次のようなことを考えてみてください。

「私は身長が何メートル何センチで、体重が何キロだ。この体、あるいは脳が私なのだろうか。若いころは何々の仕事をしていたが、今はこの仕事に就いている。私の経歴、記憶、思い出が、私なのだろうか。私の趣味は*で、*が好きで*は嫌いだ。このような傾向が私なのだろうか。私の考えていること、私の感じていることが私なのだろうか。私の知識が私なのだろうか。それともこれらのすべてが私なのだろうか。」

(この文章の先を読む前に、どうか少しだけ実際に時間を取って、このようなことをリラックスして考えてみていただきたいのです。)

 

このようなことを考えているとき、2種類の「私」があることに気づかないでしょうか。ひとつは具体的な特徴を持つ対象としての私で、もうひとつは、対象としての私を観察している私です。

自身の具体的な特徴は、遺伝や教育や環境によって作り出された表面的な自己です。ところが、そのような私を「観察している」内的な自己がいます。

バラ十字哲学の用語を使えば、物質からできている体や脳の特徴とは別に、その体に非物質的なエネルギーであるソウル(soul:魂)が宿ることによって、「意識」という内的な自己が生じています。

内的な自己は言葉では十分に言い表すことはできず、実は体験するしかないものです。少し難しくなりますが、内的な自己は時間も空間も超越しています。つまり、永遠であり宇宙と同じ大きさです。

最近は、多くの人がヨガや瞑想に取り組むようになりました。大企業でも、マインドフルネスなどの瞑想が研修として行われています。これらの実習には、ストレスを緩和するだけでなく、内的な自己とのつながりを強くする効果があります。

野原で瞑想する女性

 

古代ギリシャでも現代でも神秘学派では、内的な自己を探究し体験することが重視されてきました。

その理由は、人の善良さも聡明さも、驚くような発想力も、すべてはこの内的な自己が源であり、充実した有益な人生を過ごすためには、内的な自己を探究し体験することが役に立つからです。

 

 

しかし私たちは子供のころから、生きるために外の世界に自分を合わせることを学び、内的な自己を顧(かえり)みなくなります。社会的に望ましいと考えられている振る舞いが家族や年長者から教えられるだけでなく、教育システムによって社会の現行の慣習が教え込まれます。

このような社会とのコミュニケーションや教育は、ある意味では大切なことですが、残念なことに、現代社会には物質を過度に重視する傾向があり、教育の多くがこの傾向に影響されています。そして、このような傾向から外れないようにすることが、大人としての振る舞いだと見なされています。

一方で、内面的な進歩のために内的な自己に耳を傾けることは、ほとんど教えられることがありません。そのため私たちの多くは、自分の価値を確信することも、自分を信頼することもできなくなっています。

 

しかし人類社会の転換期にあたる今、内的な自己に耳を傾けることの重要さに、多くの人が気づきつつあります。私たちには、そのお手伝いすることができます。あなたが「自身を知ること」にもしご興味をお持ちであれば、下記の無料体験に申し込んでください。

 

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正直に申し上げれば、内的な自己を探究し体験することは、短期間でなし遂げられるものではなく忍耐が必要とされます。皆さんが私たちの仲間として、古くて新しいこの探究の道を進み始められることを、楽しみにお待ちしています。

林の中の道

 

次回は、まったく別の話題を取り上げます。

またお付き合いください。

 

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