投稿日: 2024/02/20

以下の記事は、バラ十字会日本本部の季刊雑誌『バラのこころ』の記事を、インターネット上に再掲載したものです。

※ バラ十字会は、宗教や政治のいかなる組織からも独立した歴史ある会員制の哲学団体です。

区切り

メセフティの棺- バラ十字古代エジプト博物館のコレクションから
Coffin of Mesehti – RC 2822

メセフティの棺
メセフティの棺
メセフティの棺(一部)
メセフティの棺(一部)

メセフティ家の女主人は、ナイル川に臨むエジプト中部の町アシュート(Asyut)に埋葬されました。アシュートは、南のテーベと北のメンフィスのほぼ中間に位置する町で、この町で作られた棺はシンプルな様式で作られ、側面に沿って供物の絵が描かれているので、見分けることが比較的簡単です。

絵の細部を見ると、女主人の食事のテーブルも描かれています。亡くなった女主人への贈り物の絵の間には、死後の彼女を支援する神々と、その妻の女神たちの名前がペアで縦に描かれています。

写真の側面には毎朝太陽が昇るのを見るための目が描かれていることから、それが棺の東側にあたることが容易に判別できます。棺の西側の部分は失われていますが、ニューヨークのブルックリン博物館に現在所蔵されているものがそうではないかと思われます。そちらの遺物には、鏡、履物、化粧品などの絵が描かれています。棺の東側には持ち主の名前が刻まれていますが、西側の部分にはありません。

この遺物は中王国時代(紀元前2066-1650年)のもので、塗装された木と石膏でできています。

エジプト中王国時代(第11 ~ 12 王朝期)、木材、石膏、顔料、43×179×43cm

当会は神秘学の源流が古代エジプトにあると考え、その研究に注力しています。研究拠点のひとつ、米国カリフォルニア州サンノゼ市にあるバラ十字古代エジプト博物館は、毎年10万人以上が訪れる人気の観光スポットであり、子供向けの考古学のイベントを開催して、地元の教育にも貢献しています。

古代エジプト博物館
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