引き寄せの法則の不十分さと矛盾。人生を変える法則を理解するには【後編】
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あなたは「引き寄せの法則」という言葉を聞いたことがありますか?
この文章では、人生を変える考え方についてご紹介します。
前回、引き寄せの法則が抱える2つの問題をご紹介しました。
(前回の記事はこちら:『引き寄せの法則の不十分さと矛盾【前編】』)
今回は、3つ目の問題を詳しく解説していきます。
最後の問題に触れる前に、引き寄せの法則について軽く復習をしたいと思います。
引き寄せの法則とは、人間の心の中に作り出された思いや考えには現実となる傾向があるので、最も強く思っていること、最も焦点を合わせて考えていることがその後の人生に形になって現れるという考え方のことでした。
この考えに対して次の問題があります。
(1)引き寄せの法則を使ったからといって物質的な準備や行動を、何もしなくて良いということにはならないということ。
(2)良くない事態を想定することで危険を避けたり、不測の事態へ素早く対応できるということ。
それでは第三の問題について考えます。
第三の問題
たとえば、自分の周囲には押しつけがましい人ばかりが集まっていると感じている、ある人がいるとします。
さて、これは引き寄せの法則によって起こっているのでしょうか。
つまり、その人自身が持っている「押しつけがましさ」がその人の周囲に押しつけがましい人を引き寄せているのでしょうか。
それなら、自分の性格の「押しつけがましさ」や押しつけがましい人のことを考えないようにすれば、そのような人は引き寄せの法則によって去っていくのでしょうか。
このような例では多くの場合に、当の本人の性格に押しつけがましいという欠点、
別の言い方をすれば、他の人に寛容な態度を取ることができないという欠点が見られるということが心理学的によく知られています。
しかし、このことは引き寄せの法則によって起こっているのではありません。
なぜこのようなことが起こるのか?
神秘学の解釈をご説明します。
私たち人間の潜在意識の深い部分には高い知性を持ち、ほとんど何でも実現することができ、その本人の内面の進歩のことを真に考えている聡明な親友のような精神が潜んでいると神秘学では考えています。
そしてこの精神のことを「内的な自己」や「内なる師」と呼んでいます。
一方、私たち人間の「外面的な自己」はエゴに通常とらわれているため、自分の欠点はなかなか見通すことができないのに、他人の欠点にはたちどころに気がつきます。
ある人が押しつけがましいという心の欠点を持つ場合、その人の内的な自己は、押しつけがましい人がその人の周りに集まるという状況を作り出します。
そうすると、その状況から外面的な自己は、他の人の考えを尊重することの大切さを学ぶことができるからです。
内的な自己が「他山の石」を用意しているのです。
そして、この不愉快な事態は、外面的な自己が寛容について学び終えたときに解消されます。
同じように、人間関係に起こる不快な状況や辛い状況の一部は、内的な自己が外面的な自己へレッスンとして与えていると考えることができます。
もちろん、この考えがあてはまるのは、状況の一部だけだということを強調しておかなくてはなりません。
第一の問題のように物理的な原因で起きる場合もありますし、他に原因がある場合もあるからです。
多くの哲学者や思想家が、人生のことを基本的には学校であると考えています。
内的な自己がレッスンを用意しているという見解です。
内的な自己が自己を映す鏡、つまり他山の石として、その人の内面的な成長にとって最適な人間関係を用意するということは、実はよく起こることです。
そのような場合に、引き寄せの法則という指針に従ったとしても、たとえば押しつけがましさについて考えず、そのことを全く想像しなかったとしても、その人がレッスンを学び終えるまでは事態はまったく改善しません。
以上の3つの問題から
望ましい方向に人生を変えるためのテクニックや指針として、引き寄せの法則には残念ながら必要とされる要素の多くが欠けています。
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