資料室

啓示の夜明け

The Dawn of Illumination

アメリア

By Amelia

 ある晩、高い山の頂で、古代の人が天を見上げ、神に短いいくつかの質問を投げかけて、答えてくれるように願っていました。「偉大で驚くべき天の支配者の方々とその配下の方々、私はなぜ存在しているのでしょうか?  私はなぜ生きているのでしょうか? そして、石や底深き土には命も目的もないのに、私がこの世に存在する目的は何なのでしょうか?」。彼より以前の、何百という世代の人々が全生涯を費やして考え、何の報いも得られなかった切なる願いを、知らず知らずのうちに彼は言い表していました。彼は周りの暗闇にすっぽりと包まれ、空気はそよぐこともなく、神の存在はまるで手で触れられるかのように確かでしたが、そこには何の答えもありませんでした。

 しばらくして、彼は重苦しい気持ちで、インクを流したような暗闇の中で、もう一度周囲を見渡しました。そして星が散りばめられた神々の住まいを見上げながら、彼はもう一度さらに大きな声で、彼の最大の疑問に答えが与えられることを請い願ったのでした。しかし彼が受け取ったのは、触れることはできないけれども畏敬の念を起こさせる存在からの沈黙だけでした。彼はその存在が自分を見つめていることを知っていました。何の答えもなく、どんな神も現れず、ただ、彼の耳に届いた鈍くこもった、かすかに響く音によって、静寂が打ち破られたのでした。彼は恐れおののき、神々の永遠の平和を邪魔した思慮のない性急な青二才を、神々がまさに見つめているのを感じることができたように思いました。彼は過ぎた行いをしたと思い、次に何が起こるのかを恐れていました。

 恐れおののき、ひどく取り乱しながら、神々はすでに彼の最も切実な願いと、それどころかあらゆる思いを知っているのに、彼が存在する決定的な理由を見つけることができるように、なぜ助けてくれないのだろうかと疑問に思いました。なぜ神々は、彼の目的が何か、彼に何をさせるつもりであるのかを教えてくれないのでしょうか。そして、その間ずっと暗闇が彼をしっかりと捕まえていました。周囲の暗闇と心の内側の暗闇、そして宇宙の沈黙の、口を大きく開けている恐ろしい裂け目。

 星々が輝く神々の住居を見上げ、繰り返し思いを巡らしていると、静けさが彼を圧倒し、心の平安と温かさが彼の身体を覆い、夜の冷気から彼を隔ててくれたので、彼はついに座り込み、岩に寄りかかって眠りました。彼が目覚めたとき、東の地平線は茜色に輝き、彼は、遠くから輝かしい勝利の女神であるエオス(Eos)が近づいて来るのをかすかに感じました。暁の女神である彼女は、金の馬に引かせた2頭立ての馬車で、東から近づいてきました。

 夜明けが来たのです。女神とその御付きの者はそれほど遠くではなく、彼は、自身の存在の最も深い奥底から、答えが湧き上がり始めるのを感じました。徐々に、最初はほとんど気づかないほどでしたが、質問に対する答えを、神々に求めるべきではなかったことを彼は理解し始めました。そうです、すでに彼の内部にいる至高の神に、答えを求めるべきだったのです。彼が存在する理由と目的は、昼間の光のように明白で、暁の女神が地平線の上に現れたとき、燃え立つような彼女によって明るく照らされてそこにあり、意味と理由と目的は、女神のすべての動きの中にありました。安らぎと慰めとともに、彼が太陽の暖かい光を浴びたとき、彼は初めて理解しました。生きている理由は、自分でどのように選んでもよいこと、しかしその目的は生まれたときから定められていること、彼がそこから作り上げられた、そして彼を今作り上げている内なる神聖さを、できる限り完璧に表現することが目的であることを、彼は初めて完璧に知ったのでした。

 これが彼にとって、人生の最初の真の夜明けでした。そして彼は、永遠の住まいにいる愛しい神と女神たちに見守られつつ暮らす、彼の残りの日々を導いてくれる、今までとは異なる指針を見いだしたのでした。その男は、彼自身の〈聖なる中心〉をのぞき込むことだけによって、暗闇と沈黙から脱して自分の道を見つけたのでした。それは彼にとって、彼が知っている最も美しい夜明けでした。周囲にある啓示の光と心の内側にある啓示の光、そして、目に明らかな、〈光〉(Light)と〈命〉(Life)と〈愛〉(Love)のすべての源泉。

 ※上記の文章は、バラ十字会が会員の方々に年に4回ご提供している神秘・科学・芸術に関する雑誌「バラのこころ」の記事のひとつです。バラ十字会の公式メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒント」の購読をこちらから登録すると、この雑誌のPDFファイルを年に4回入手することができます。

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