音楽にまつわる遺物－バラ十字古代エジプト博物館のコレクションから

以下の記事は、バラ十字会日本本部の季刊雑誌『バラのこころ』の記事を、インターネット上に再掲載したものです。

※ バラ十字会は、宗教や政治のいかなる組織からも独立した歴史ある会員制の哲学団体です。

音楽にまつわる遺物－バラ十字古代エジプト博物館のコレクションから
Musical Materials – RC 1765、2245、636

これらの音楽にまつわる遺物は、いずれもエジプトの神殿で活動していた女性たちに関連しています。右側の石でできたレリーフは、もともとはエジプト北部のサッカラの共同墓地にあった墓の壁を飾っていたもので、シストルムと呼ばれる打楽器の一種を片手に、神々を敬う儀式を行っている女性の姿が描かれています。ハトル女神（Hathor）の顔がかたどられている中央の小さな遺物は、シストルムの持ち手の部分に付けられていた飾りです。シストルムは、音楽と美、愛と戦争の女神であるハトルの楽器だとされ、特にこの女神に捧げられていました。左側の青銅製のシストルムは、ローマ時代のもので、エジプトの国外で作られました。これは、古代エジプトの文化が、その滅亡後も長い間、世界中に広がっていたことを証明しています。

左から、青銅製、石灰岩製、彩色陶器。

２～20cm。古代エジプト第18王朝からローマ時代

当会は神秘学の源流が古代エジプトにあると考え、その研究に注力しています。研究拠点のひとつ、米国カリフォルニア州サンノゼ市にあるバラ十字古代エジプト博物館は、毎年10万人以上が訪れる人気の観光スポットであり、子供向けの考古学のイベントを開催して、地元の教育にも貢献しています。