こんにちは、バラ十字会日本本部の本庄です。

オーストリア出身のルドルフ・シュタイナー(1861-1925)は、文芸、哲学、教育などの
幅広い分野で活躍した有名な思想家です。あなたももしかしたら、彼の本を
お読みになったことがあるかもしれません。私も何冊か手にした思い出があります。
そのひとつに、『薔薇十字会の神智学』という題の本があります。今回、
あなたに分かりやすくご紹介させていただこうと考え、英訳本と照らし合わせながら、
じっくりと目を通しました。
ちょっと固い話になってしまうかもしれませんが、おつきあいください。
「バラ十字会では神智学(theosophy)」を教えているのですか」という疑問を
お持ちになられる方もいらっしゃるでしょうから、まず題名について
手短にご説明する必要があることでしょう。
この本は、シュタイナーが、ヘレナ・P・ブラヴァツキーが創設した
神智学協会という団体に所属していた1907年に、この協会の会員に向けて
ミュンヘンで行った連続講演をまとめたものです。
ですから、この題名の中の神智学という言葉は、本文の流れからも分かりますが、
「知」(wisdom)という一般的な意味で使われています。
たとえば私の手元にある英訳書(J. Collis)では、この本の題名は
「バラ十字会員の知」(Rosicrucian Wisdom)と訳されています。

ちなみに、この3年後の1910年にシュタイナーは、
神智学協会を退会して、
人智学協会(Anthroposophical Society)を
創設しています。
この本の第一章「叡智の新しい型」でシュタイナーは、
バラ十字会の神秘学の「知」の全般的な特徴を説明しています。
そして、この「知」を絶賛しています。
バラ十字会の日本代表という立場の私から見ても、
この誉め方は、ちょっとたじろいでしまうほどの絶賛です。
かいつまんでご紹介しましょう。

1.バラ十字会の知は、頭や心だけではなく、日々の行ないの中にまで行き渡る。
つまり、バラ十字会は人類の友愛だけのために作られた単なる友愛組織ではなく、
人類の数々の不幸に、単に感傷的に同情するのでもなく、
会員が人類全体へと奉仕する能力を鍛えるための組織である。
2.現代科学は、バラ十字会の知に対する反論となるのではなく、
現代科学を正しく理解するならば、それは、バラ十字会の知の証明となる。
3.文豪のゲーテは、ライプツィヒ大学時代の終わりにひどい病気にかかり、
臨死体験をした。この体験には入門儀式と類似の効果があり、
その結果、ゲーテはある詩的なインスピレーションを得た。
そして、このインスピレーションは、初めは意識下のことだったが、
後にそれにはっきりと気づくことができたとき、
ゲーテは、世界文学の中でも最も意味深い作品のひとつである
散文詩「緑の蛇と百合姫の物語」を書くことができた。
そして、この作品を正しく解釈すると、
バラ十字会の「知」について多くを知ることができる。
4.バラ十字会の「知」を独自に発見するためには超感覚的認識が
必要であるけれども、この「知」が伝えられるときには、
学習者が教師を無条件に信じる必要はなく、たとえば幾何学を学ぶときのように、
「知」そのものの正しさを理屈として確認することができる。
バラ十字会の知はそれほど体系的で論理的である。
シュタイナーがこのように捉えていたバラ十字会の「知」の理想を、私たちがご提供している教材が、
すべて十分に満たしていると言えるでしょうか。まあ、すれすれ及第点には達しているのではと考えています。
また、すでに学んでいる方々の多くは、上のシュタイナーの言葉が、当会の教材の特徴を良く表していると言ってくださることと思います。
そして私たちは、日々努力を重ねて、この理想に限りなく近づいていきたいと思っています。
「シュタイナーはバラ十字会員だったのですか」と尋ねられることがあります。
この問いに答えるのは難しいことです。古い時代のある人がバラ十字会員だったかどうかは、
代表クラスの役員である場合は別ですが、ほとんどの場合、はっきりとは分かりません。
しかし、この章だけからでも、彼がバラ十字会の知について、深く具体的に理解をしていたことが分かります。
ですから、彼がバラ十字会員ではなかったとしても、当時のバラ十字会員たちと親密に接触し、
多くの情報を得ていたことは確実に思われます。
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