投稿日: 2023/07/28

こんにちは、バラ十字会の本庄です。

今日の東京板橋は、雲ひとつない晴天です。皆さんがお住まいの場所の多くも同じだと思いますが、梅雨が明けてから、厳しい暑さの日が続いています。

いかがお過ごしでしょうか。

さて、バラ十字会日本本部の代表をしている小職は、当会の会員から自由についての質問を受けることがあります。

当会のフランス本部の代表が、自由そのものについての考察から始めて、まさにこのことについて自身のブログに書いていますので、その翻訳をご紹介します。

区切り

記事:「バラ十字会は、どのような意味で自由の学校なのか」

バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表セルジュ・ツーサン
バラ十字会フランス本部代表セルジュ・トゥーサン

◆ 自由の探求

世界中のどの国でも、自由は幸福にとって最も必要な条件であると、ほとんどの人が考えています。

人はいつの時代も、自由であるときにはその状態を維持しようとし、自由でないときにはそれを手に入れようとしてきました。そのために多くの人たちが命を犠牲にし、多くの人たちが血を流しても権力に対抗してきました。

人類にとって自由は模範であると同時に理想であり、決して欠かすことのできない必要なものでもあり、自由には普遍的で時を超えた価値が認められています。

自由のイメージ(鎖から解き放たれる鳥)

◆ 自由の限界

人間は本質的に自由だと考える人たちがいます。この考え方は一見魅力的に思えますが、現実と一致していないようです。

子供は生まれてから思春期まで、そしてその後も親に頼って生きており、社会的、文化的に環境の影響を受け、学校に行かなければならないなど、必然的に自由が制限されています。

大人はと言えば、最低限の金銭と物質的な快適さがなければ好ましい暮らしをすることができず、社会の法律やおきてに従わなければなりません。

また、生理学的なレベルに限ったとしても、生き続けるためには食べたり飲んだりしなければなりません。このように極めて多くの制約があり、完全に自由な人は誰ひとりとしていません。

自由と束縛のイメージ(空を飛ぶ風さんと鎖につながれた風船)

◆ 社会的権利としての自由

人間は本質的には自由でないとしても、できるだけ自由でありたいという自然な傾向が人間にはあります。心の中のこの望みが極めて強いため、人は自由を奪われることを決して許さず、自由は社会的な権利になっています。

民主主義国家ではこの権利は、最高法規として遵守される憲法で保障されています。

しかし一方で、民主主義国家で暮らしている多くの人が、自分は自由ではないと感じています。なぜでしょうか。

それは、自由が単なる権利以上のものだからです。自由は、おそらく何よりも精神の状態だからです。

精神の状態としての自由のイメージ(青空を飛ぶ鳥)

◆ 自由の学校としてのバラ十字会

バラ十字会は、活動を許されているほとんどの国で長年活動し、その会員の自由を常に尊重してきました。

学習の最も初期から会員には「生ける疑問符」であること、つまり、説明された内容を無条件に受け入れるのではなく、よく考えて疑問を持つことが勧められます。この意味で、提供される教材や講義の内容は、いかなる意味でも独断的なものではありません。

当然のことですが、会員は説明を求められることなく、引き止められることもなく、いつでも退会することができます。そしてそう望んだときは、いつでも再入会し学習を再開することができます。

自由と友愛の象徴としての樹木(青空と緑の丘の上に生えた樹木)
多くの文化と伝統思想で、木は自由と友愛の両方の象徴として用いられています

◆ 自由思想家と自由に考える人

自由思想家という用語は、大まかに言えば、不可知論と世俗主義(訳注)の2つを主張する人たちを指します。一部の人たちの考えとは異なっていますが、バラ十字会員の多くは、この意味では自由思想家ではありません。

訳注:不可知論とは、神や実在などは有無も性質も知ることはできず、認識できるのは経験した物事だけだと考える立場であり、世俗主義とは、宗教は社会組織や教育組織などに関与するべきでないという考え方。

バラ十字会員の多くは、自由思想家というよりは、むしろ自由に考える人たちであり、世俗主義に敬意を払いつつ、開かれた考え方と寛容をより重視しています(当会のモットーは「最大限の寛容と厳格な独立」です)。

そして、思考、発言、行動の自由を重視する一方で、自由という観念には広い意味では、社会的な自由だけでなく哲学的な自由、つまり自由意志が含まれると考えています。自由意志とは自分自身で決定を下(くだ)す能力のことであり、自分個人の選択に従って、自分の人生の方向を決める能力のことです。

セルジュ・トゥーサン、バラ十字会AMORCフランス語圏本部代表

著者セルジュ・トゥーサンについて

1956年8月3日生まれ。ノルマンディー出身。バラ十字会AMORCフランス本部代表。

多数の本と月間2万人の読者がいる人気ブログ(www.blog-rose-croix.fr)の著者であり、環境保護、動物愛護、人間尊重の精神の普及に力を尽している。

区切り

ふたたび本庄です。

「自由は、おそらく何よりも精神の状態である」という言葉から私が思い起こすのは、オーストリアの心理学者ビクトール・フランクルの『夜と霧』という本です。この本には、ナチスの収容所での彼の体験について書かれています。

そこでは、収容されていた人々の行動の自由が極限まで制限されていたのですが、そのような中でも、一部の人の精神の自由は決して失われることがありませんでした。

人生の意味について深く考えさせられる名著だと思います。

下記は、前回のセルジュ・トゥーサンの記事です。

参考記事:

今日はこのあたりで。 また、お付き合いください。

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